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スティーブン・ホーキング氏の知られざる素顔「人生は愛です」

スティーブン・ホーキング氏の知られざる素顔「人生は愛です」

Posted March. 13, 2021 08:18,   

Updated March. 13, 2021 08:18

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2018年に76歳で他界した宇宙物理学者スティーブン・ホーキング氏。アインシュタイン以来、宇宙の秘密に最も近づいた人物であり、筋肉が萎縮する「ルーゲリック病」を克服して偉業を成し遂げた巨人に数えられる。

著者は理論物理学者としてドイツ・マックスプランク研究所で勤めた。氏は2003年にホーキング氏と縁を結んだ後、15年間交流を続け、「短く簡単に書いた時間の歴史」「偉大な設計」を共著した。

この本は、人々が記憶する巨人の人生の中で、あまり知られていない内容を多く含んでいる。顔面筋肉を除いて全身が麻痺したホーキング氏は、「1分に6つの単語」を表現することができた。眼鏡に取り付けたセンサーが彼の頬の微細な動きを感知して伝える方式だった。

著者は、たゆまぬ忍耐を要するコミュニケーションを通じて得た経験と洞察、ホーキング氏の知人15人とのインタビューを通じて、人生と友情の記録を整理した。宇宙物理学の分野でホーキング氏が成し遂げた業績を比較的簡単に伝えながら、巨人のプライバシーを巡る疑問を解いてくれる。

「博士にとって物理学は人生ですよね」と尋ねると、ホーキング氏は鼻をしかめた。同意しないというシグナルだ。しばらくして、センサーによってタイプ処理されたホーキング氏の答えは「愛が人生です」だった。

ノーベル物理学賞受賞者として物理学の大衆化に貢献したリチャード・ファインマン(1918~1988)に対するホーキング氏の短いコメントが興味深い。「カルテック(米カリフォルニア工科大学)近くの居酒屋でボンゴ演奏を楽しんだ多彩な性格の人物」。

ホーキング氏との友情のおかげで、より増しな人間になったという著者の告白が印象的だ。「スティーブンをよく知らない人たちは、ただ人生を生き抜くことだけでも、彼にはエベレストに登るようなことだったと思うかもしれない。私はスティーブンと知り合ってから、スティーブン自身がエベレストであることに気づいた」。


金甲植 dunanworld@donga.com