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イラン革命防衛隊は「政府の上の政府」

Posted January. 06, 2021 08:11,   

Updated January. 06, 2021 08:11

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イラン社会の全般を支配する革命防衛隊は「政府の上の政府」と呼ばれる。イスラム革命2ヵ月後の1979年4月、ホメイニら革命勢力が「イスラム共和国体制を守護するには、正規軍とは別に軍事組織が必要だ」として設立した。総司令官や主要幹部は今でもシーア派最高聖職者兼国家最高指導者であるアーヤトッラーが直接任命する。

革命防衛隊は、陸海空軍と特殊戦および海外作戦を担う精鋭「コッズ部隊」、民兵部隊「バスィージ」の大きく5つの組織で構成される。規模は2020年基準19万人と推定される。52万人の正規軍より少ないが、保有人員と武器の優秀性は正規軍を凌駕すると評価されている。5つの組織のうち、今回韓国船舶を拿捕した海軍、イラク、イエメン、シリア、レバノンなどの親イラン武装政派を教育し訓練するコッズ部隊が核心組織とされる。

特に海軍は、世界の石油供給の約3割が通過するインド洋とペルシャ湾間のホルムズ海峡を巡視する任務を担っている。海軍は主に小型ボートを利用し、イラン領海に接近したという理由で米軍の戦艦や他国の船舶を拿捕してきた。

 

コッズ部隊はシリア、イラクなどで、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討の先頭に立った。19年12月、イラク内シーア派の民兵隊が首都バグダッドの米大使館を攻撃した事件の背後にもコッズ部隊がいたとみられている。米国はこれに対する報復で、昨年1月3日、コッズ部隊のソレイマニ司令官をバグダッド空港で無人機で殺害した。

神政一致国家の体制守護の任務を担ってきたため、革命防衛隊の権力は想像を超越する。ロハニ大統領の前任のアフマディネジャド前大統領は09年1月、政府会議で、言論の自由の拡大問題をめぐってジャファリ総司令官と言い争いになり、げんこつを食らった。明白な下剋上だったが、ジャファリ総司令官は懲戒すら受けなかった。

穏健派のロハニ大統領も、革命防衛隊を「銃を持った政府」と呼んだ。米国は19年4月、革命防衛隊をテロ支援団体に指定した。米国が他国の政府組織をテロ支援団体に指定したのは初めてだった。

 


チョ・ユラ記者 jyr0101@donga.com