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米国はなぜ中国の「一帯一路」を警戒するのか

米国はなぜ中国の「一帯一路」を警戒するのか

Posted January. 02, 2021 08:08,   

Updated January. 02, 2021 08:08

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「アジア人は考えられるのか(Can Asians Think?)」

この挑発的な文は、1993年にキショール・マブバニ氏が書いた本のタイトル。シンガポールのリー・クワンユー公共政策大学院長のマブバニ氏は当時、同書を通じて、世界の流れが変わっており、アジアが西洋に教えることが多いと強調した。アジア人が考えることができるかという植民主義的な思考ではなく、アジア人がどのような考えをするのか研究する時ということだ。

 

約20年が経ち、変化したアジアの地位は経済の数値でも立証されている。昨年11月、日中韓やオーストラリアなど15ヵ国が署名した「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」は、人口22億人、国内総生産(GDP)規模が26兆2千億ドルで、「世界最大の自由貿易協定(FTA)」と呼ばれた。著者は今後、世界の地形図は「米国第一」ではなく「アジア第一」になると断言する。また、あまり知られていないアジアの様々な断面を詳しく紹介する。

 

スタートは古代アジア文明。ギリシャ文明など西欧中心で書かれた世界史の影に隠れたインドや西アジア、東アジアの文明を簡略にまとめる。その後、アジアの主な政治、経済、社会、文化に関する基本的な知識と事件を提示する。オーストラリアとロシアはなぜ早くから「アジア化」に飛び込んだのか、米国はなぜ中国の「一帯一路」プロジェクトを警戒するのかなど、旬のテーマも扱う。

「アジアの観点で、去る20年は、ブッシュの無能力、オバマの無誠意、トランプの予測不可能性の時代」とか、「西洋の考えとは違って、アジアは中国中心に向かって動いていない」という観点は興味深い。東アジアを越えてインドや東南アジアなど広大なアジアの現住所を一瞥できることも長所だ。ただし、アジアに無知な西欧人を読者に設定しているという限界も感じられる。

インドで生まれた著者は、米国と欧州で国際関係の専門家として活動し、現在はシンガポールで暮らしている。原題は『The Future is Asian』。


金民 kimmin@donga.com