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人間が作った物質>自然が作った生物

Posted December. 11, 2020 08:57,   

Updated December. 11, 2020 08:57

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人類がこれまで生産した人工物の総質量が、自然が作り出した地球上生物の総質量を初めて超えたことが分かった。人類は今も、世界人口全体の体重より重くて大量の建物、道路、プラスチックなどの人工物を毎週生産していると分析された。

イスラエル・ヴァイツマン研究所・植物・環境科学部のロン・マイロ教授研究チームは9日(現地時間)、人類がこれまで作ってきた人工物の総質量が、現在全世界の生物の総質量である約1兆1000億トンを今年初めて上回ったと試算されるという研究結果を、国際学術誌「ネイチャー」に発表した。

地球で人間は全体生物の0.01%に過ぎないが、生態系に及ぼす影響は甚大だ。約1万年前に農業革命が始まって以来、人間は森林伐採や土地利用などで全世界の植物を早く破壊した。1万年前は2兆トンに達した総植物量は、現在は1兆トン水準に減少した。植物量が減り、現在、人間が栽培する作物の総量は約100億トンに過ぎない。人間が地球に及ぼした影響が大きくなるにつれ、科学者たちは最近の地質時代を「人新世」と定義して分類するほどだ。

研究チームは、人間の影響を定量化するため、1900年から現在まで全世界の生物量と人工物の総質量の変化を推定した。文献調査や衛星を活用した遠隔観測、モデリングにより生物量を推定した。人工物は、「人間が作った固体形態の無生物」と定義した。人間が作った食糧や家畜は生物量に含まれ、木を加工して作った木材は人工物として扱われた。

分析の結果、1900年の人工物の総質量は、生物量の3%にすぎなかった。しかし、建物や道路、機械のような人間の生産物が急激に増え、人工物の総質量は20年ごとに2倍に増えた。今年まで人間が地球に建てた建物と道路は約1兆1000億トンで、全世界の木の総質量である9000億トンを上回ったことが分かった。プラスチックの総質量も80億トンで、全世界の動物総質量である40億トンの2倍に達した。

人工物を構成する成分の大半も、建物を構成する砂、砂利のような骨材やコンクリートだった。1950年までは建物の主材料だったレンガが全体人工物の25%を占めた。以後、建物にコンクリートが使われ、コンクリートと骨材の割合が急速に伸びた。コンクリートの割合は、1900年の5%から今年は45%に増えた。

人工物生産量の伸び率は、世界的な出来事の流れとつながっている。第2次世界大戦前までは2%に過ぎなかった年間生産量の伸び率は、以後5%まで高くなったが、1973年の第1次オイルショックの時、3%台に落ち込んだ。以後、同様の伸び率を維持している。2020年現在、人間は年間300億トンを生産するという。研究チームは、「世界の全ての人間が、毎週自分の体重以上を生産していることになる」と説明した。

今回の分析は、人工物のうち、人間が捨てたゴミを除いた結果だ。人間が捨てたゴミの中で焼却とリサイクルを経た場合を除いた量を含めれば、人工物の総質量は2013年に既に全世界の生物量を超えたことが分かった。

このような傾向が続けば、20年後の2040年は、人工物の総質量が現在の約3倍の3兆トンを超えるものと研究チームは試算した。マイロ教授は、「地球が人新世に変化しているという象徴的な境界線を見せている」とし、「目前に迫った衝撃的な結果に、もっと責任感を持って行動することを願う」と語った。


チョ・スンハン記者 shinjsh@donga.com