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軍人の使命

Posted October. 06, 2020 07:51,   

Updated October. 06, 2020 07:51

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明の末期、ヌルハチが女真族を統一して明を攻撃し、遼東を占領した。毛文龍 が指揮する明の敗残兵と遊民の一部は朝鮮に入って来て、平安北道(ピョンアンプクト)沖合にある椵島(カド)を無断占拠した。朝鮮は明との関係もあって、後金を牽制するのに役立つと考え、毛文龍を支援したが、後金と戦闘は行わず、朝鮮で兵糧と財物を取り崩す悩みの種になった。

毛文龍が死ぬと、副将だった孔有徳と耿仲明が反乱を起こし、山東を占領したが、明軍の反撃を受けた。すると彼らは後金に投降することを決めた。船に乗って渤海湾に撤収した彼らは、明軍の追撃が激しくなると、鴨緑江(アプロクカン)の河口に進入し、今の丹東地域に上陸しようとした。この時、突然、義州府尹の林慶業(イム・ギョンオプ)が指揮する朝鮮軍が現れ、彼らを攻撃した。敗残兵ではあったが、毛文龍と違って孔有徳と耿仲明は優れた将帥だった。2人は脱出に成功したが、朝鮮軍の攻撃は鋭く、彼らに大きな打撃を与えた。

 

後日、林慶業は斥和派の偶像になった。親明主義者と林慶業を批判する見方もある。では鴨緑江戦闘は他国の戦争に意味なく割り込んだのか。政治色を離れて軍人は与えられた義務に忠実でなければならない。孔有徳の軍は、朝鮮の領域を侵入して長く朝鮮を困らせ、また、今後侵攻する者だった。丙子胡乱の後で清が最も高く評価し、自分たちに引き入れたかった将軍も林慶業だった。林慶業は脱出して明に行ったが、軍人としての姿勢と能力を高く評価したのだろう。

軍人の使命は、国土と国民を守護することであり、国土と国民が脅威を受ける時、戦闘を回避してはならない。ただそれは、無条件に戦って解決しなければならないという意味ではない。軍の精神と責任感が生きている国であることを誇示することが重要だという意味だ。

小さな紛争が戦争に拡大するケースも多い。しかし、国民と軍が卑怯で弱気になれば、必ず戦争を呼び込む。