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対北朝鮮支援物品の分配状況、確認できず

Posted August. 26, 2020 09:47,   

Updated August. 26, 2020 09:47


文在寅(ムン・ジェイン)政府発足後、政府予算である南北協力基金が投入された対北朝鮮人道支援、開発協力事業の多くが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で北朝鮮内での分配が十分になされているか確認できないなど支障を来たしていることがわかった。李仁栄(イ・インヨン)統一部長官就任後、民間団体の対北朝鮮支援のための搬出承認が相次いでいるが、すでに北朝鮮に入った物資の分配状況も分からない状況で、「不透明な」支援がなされるのではないかという指摘も出ている。

25日に国会外交統一委員会所属の野党「国民の党」の李泰珪(イ・テギュ)議員室が入手した統一部資料によると、文政権で南北協力基金が投入された対北朝鮮人道支援、開発協力事業は10件。これらの事業は普通、南北協力基金から全事業費の5割が支援される。しかし、昨年末、北朝鮮の農村地域に防寒用品を送った支援事業など4件は、新型コロナウイルスの影響で実際に支援対象に渡ったのかどうか確認が遅れていると李議員室は指摘した。韓国の対北朝鮮支援団体が分配の透明性確保のために直接現場を訪れ、対象者との面談の内容を含む訪朝結果報告書を提出しなければならないが、北朝鮮の国境封鎖で訪問できず、確認できなくなったのだ。 

別の2件の事業は、新型コロナウイルスで海路・陸路の運送が難しくなり、北朝鮮への搬出が遅れている。また別の事業3件は、北朝鮮に送る物資は準備しているが、北朝鮮が韓国製の物資を直接受け取ることを拒否しているという。事実上、南北協力基金の支援を受けた支援事業全体が支障を来たし、この事業に配分された基金24億5600万ウォンのうち実際の執行額は13億9200万ウォンだった。

このような状況でも、李長官就任後、北朝鮮への搬出承認は相次いでいる。新型コロナウイルス防疫物品の搬出承認は4回なされ、別の分野の承認事業は非公開で行われている。統一部は、対北朝鮮支援事業の特性上、搬出経路や分配対象を公開できないという。

北朝鮮が、韓国製の物資を直接受け取ることを拒否し、中国業者が仲介する「3者間契約」が増え、物資の移動経路や分配の不透明性が高まったという指摘も出ている。李議員は、「国民の血税が投入される支援事業がどこに支援されてどのように使われるのか透明に明らかにし、国民の認識に合わせて北朝鮮事業を推進しなければならない」と指摘した。

統一部は、南北協力基金が投入される支援事業の場合、南北の団体が直接締結する事業だけ承認することを原則にしてきたが、李長官就任後、「3者間契約」にも基金を支援することを検討しているという。


權五赫 hyuk@donga.com