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若い地主の肖像

Posted August. 20, 2020 08:28,   

Updated August. 20, 2020 08:28


土地は富と権力の象徴だ。権力者は常に土地を所有し相続した。地主にとって土地は階級の強化と永続化の手段だった。トマス・ゲインズバラが描いた肖像画は、18世紀の英国の大地主の姿をうかがわせる。

絵の中のモデルは、画家の高校の友人であるロバート・アンドリュースと彼の妻のフランシス・カーターだ。2人は1748年、22歳と16歳で結婚した。没落した実業家の息子だったゲインズバラが、高校卒業後、身分が低い見習画家になった時、アンドリュースはオックスフォード大学に進学した。アンドリュース家は収入が莫大な富農であり、船主として植民地貿易を通じて大きな富を築いた。彼の父親は早くから息子に土地を買い、大地主の家と姻戚関係を結んだ。さらに広い土地の確保と効率的な管理のために政略的に結ばれた婚姻だった。夫婦の表情がなぜか冷ややかに見える理由だ。

 

結婚当時、アンドリュースはすでに1200万平方メートルの土地を所有する大地主で、絵の中の背景も彼の私有地だった。優雅なロココ風のドレスを着た夫人とは違って、彼は狩猟服姿だ。狩猟服は、上流階層の男性だけが享受できる特権なので、身分を誇示するために選択された衣装だ。多産の象徴である穀物の山と貞節を暗示する犬、力と永続性を象徴するクヌギなどの絵は、結婚と関係した様々な象徴で満たされており、夫婦の結婚記念の肖像画であることが分かる。夫人の手は未完成だが、これは本や狩猟したキジを描こうとしたが、生まれてくる子孫のために故意に空けておいたようだ。

風景画家だったゲインズバラは、実は生計のためにやむを得ずこの肖像画を描いた。画家は依頼人を満足させなければならないものだ。旧来の友人だが、身分の差に対して苦々しく思ったことだろう。肖像画が苦手だったゲインズバラは、自信がある風景画の中に夫婦を描き入れたが、結果的には肖像と風景を結合した独特のスタイルを作り出した。地主階級に対する画家の冷静な視線を含んでいるにもかかわらず、この絵は依頼人には大満足を、画家には最高の名声を与えた。