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規制サンドボックス1年、改革体感はまだ遠い

規制サンドボックス1年、改革体感はまだ遠い

Posted April. 28, 2020 08:26,   

Updated April. 28, 2020 08:26

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政府が代表的な規制改革政策として掲げた「規制サンドボックス」が、本格的に施行されてから1年が経った。この制度は、新技術や新製品に対して期限付きで規制の適用を停止し、まず市場に製品を出すことを許可するものだ。昨年初めにエンジンをかけ始め、4月から金融革新支援特別法などの関連法が施行され、本格化した。先月末まで規制サンドボックスとして承認された事業は、産業融合情報通信技術など様々な分野で218件に上る。制度を初めて開始した英国では、フィンテック分野だけで年間40件ほど承認されるのに比べれば、多く可決された方である。

これまで規制のために意欲を出せなかった医療遠隔モニタリングや共有キッチンなどを試みることができたのは、サンドボックスの成果として挙げられる。しかし、産業現場での規制改革の体感度はまだ低い。省庁別障壁と差が大きく、ある事業は承認され、似たような別の事業は、他の省庁で保留される事例がしばしば起きている。一時的に導入許可を受けても、関連法令が正式に改正されなければ、ビジネスを中止しなければならないという不安も相変わらず残っている。「タダ」のように、社会的議論がある事業は、最初から承認対象にもならなかった。

政府は規制サンドボックス開始から1年を迎え、規制改革の運営方式と効率について、全体的に見直すべき時だ。新型コロナウイルス事態によって、国内外の経済が共にマイナス成長に突っ走っている中、それでも、経済を息抜きさせる案として規制改革の重要性が再び注目されている。東亜(トンア)日報が全経連、駐韓米国商工会議所などと開催した座談会でも、海外経済人たちは、「グローバル企業を怖がらせる様々なガラパゴス規制を打破してこそ、韓国経済の未来が開かれる」と口をそろえた。

新型コロナウイルスにより、今年の世界の先進国の経済成長率はマイナス6~マイナス5%になるだろうという見通しがあふれている。韓国は経済の対外依存度が高いため、海外景気低迷の直撃を受ける恐れが高い。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相も昨日、「これまで経験したことのなかった景気後退が懸念される」と述べた。

景気墜落を防ぐために、政府は財政拡大や金融支援などの政策を打ち出しているが、結局景気を活性化し、雇用を増やすのは民間企業である。企業が革新的な商品やサービスを出して、新しい市場を開拓できるように、規制改革に拍車をかけなければならない。規制改革の方法は、サンドボックスだけではない。全体規制をネガティブ方式に変えるなど、より積極的で多角的な改革方式について考えてもらいたい。