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「脱走犬」の不名誉から国民的英雄になったタルグァン

「脱走犬」の不名誉から国民的英雄になったタルグァン

Posted August. 05, 2019 09:10,   

Updated August. 05, 2019 09:10

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「軍犬の紐をつけて前を歩いていた『タルグァン』が、突然その場に座って『報告動作』をとる瞬間、『ああ、チョ・ウンヌリさんが近くにいるんだ』と思いました」

忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)の小山で行方不明になって、10日ぶりに奇跡的に生還した女子中学生チョ・ウンヌリさん(14)を発見し、背負って山から降りてきた陸軍第32師団機動隊所属のパク・サンジン元士(44・進級予定)。パク元士は4日、「通常軍犬は任務を果たすと、そのご褒美としてボール遊びをさせたり、おやつを与えるのだが、その日は状況が緊迫していたので、そのまま降りてきた」とし、「チョさんを119救急隊に引き渡した後、ようやくタルグァンの頭を撫で、筋肉マッサージ―をしながら褒めた」と話した。

チョさんの痕跡を一番最初に見つけた軍犬タルグァンが、「英雄犬」として賞賛を受けている。

7歳のスーパーシェパードであるタルグァンは、犬番(13-****)が与えられ、広範な地域で人を見つけることを主な任務とする「偵察犬」だ。タルグァンは2013年11月に部隊に配属され、パク元士と縁ができた。

パク元士は、「タルグァンは土、日曜を除き、毎日4時間ずつ高い強度のトレーニングを行ってきた」とし、「今回の任務前も、2016年5月27日と28日、忠清南道天安(チュンチョンナムド・チョンアン)と牙山(アサン)一帯で行方不明者の捜索偵察任務を行ったことがている」と語った。平均体重38キロ前後のタルグァンは、一日に700グラムの絵さを食べ、兵士たちと一緒に歩く訓練と自律・区域捜索、対抗軍探索の山岳訓練などを行っている。

チョさんを見つけて、国民的「英雄犬」となったタルグァンも、一時は「脱走犬」だった。2014年2月28日、江原道春川(カンウォンド・チュンチョン)の第1軍犬教育隊に補充教育を受けに行ったタルグァンは、中部高速道路で軍用トラックの金網をはがして逃げたが、その翌日、曽坪(チュンピョン)インターチェンジ近くの小山で生け捕りされたことがある。

タルグァンの英雄談が知られ、一部から「1階級特進をさせるべきだ」という主張も出ているが、現実的には不可能な事案だ。32師団のイ・スンジン公報政訓参謀(中領)は、「タルグァンは階級がないので、特進が不可能だ」とし、「その代わり、今回の任務完遂を賞賛するために表彰状授与などを検討している」と話した。

忠北(チュンブク)大病院に入院しているチョさんは、急速に回復していることが分かった。病院側は、「脱水のために弱くなっている腎臓機能がすべて正常に回復し、現在、重湯とおかゆを食べている」と明らかにした。早ければ今週中に退院が可能と予想される。チョさんの行方不明事件を捜査している清州市上黨(チョンジュシ・サンダン)警察署は、チョさんが回復する次第、道に迷った経緯を調査する予定だ。


張基祐 straw825@donga.com