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現地のダイバーチーム代表「船舶引き揚げを最後まで支援したい」、ハンガリー旅客戦沈没事件

現地のダイバーチーム代表「船舶引き揚げを最後まで支援したい」、ハンガリー旅客戦沈没事件

Posted June. 03, 2019 08:39,   

Updated June. 03, 2019 08:39

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「潜水が可能な限界を超えているので、安全規定に反して入らなければなりませんでした。状況は深刻でした」

先月30日、ハンガリー・ブダペストのドナウ川の下に沈んだHABLEANY号の船体捜索作業のために潜水作戦を主導した民間ダイバー「ハーバーリアン」チームのサトマリ・ジョルト代表(50)は1日、東亜(トンア)日報の電話取材に対し、「とても潜水が不可能な状況だった」と緊迫した様子を伝えた。

●ダイバーチーム代表「最後まで支援したい」

サトマリ氏は先月29日夜、ブダペスト・マルギット橋の下でHABLEANY号が沈没した直後、政府から「支援してほしい」という要請を受けた。軍でのダイバー歴20年を含めて、30年にわたるダイバー経験に民間のダイバーチームを率いているサトマリ氏は、悩んだ末参加意思を明らかにした。

サトマリ氏は、「土砂降りの雨が降っていて水の流れが激しかったので、潜水が難しいのは火を見るより明らかだった」とし、「政府が複数の民間ダイバーチームに連絡したが、参加を決めたのは、私たちだけだった」と語った。サトマリ代表が率いるハーバーリアンチームは、ブダペストからドナウ川に沿って180キロの下流にあるBAJA地方で活動する救助チームだ。彼は、「うちのチームは、皆それぞれ仕事をもっているボランティア30人で構成されており、そのうち6人がブダペスト潜水作業に参加している」と説明した。

30日早朝かからハンガリー対テロセンター(TEK)ダイバーチームとハーバーリアンチームは、マルギット橋の下でダイビングを試みたが、状況は深刻だった。サトマリ代表は、「洪水のように水が増えた状態で、流速もあまりにも速かったので、規定上ダイビングが不可能な状況だった」とし、「二度のダイビングを試みたが、最初は正常に潜ることすらできなかった」と話した。彼によると、当時、水の流れがあまりにも早かったので、潜ろうと表示しておいたところのが、水に何度も流されたので、潜水ポイントを新たに決める作業を繰り返さなければならなかった。

TEK隊員と一緒にハーバリアンチームで最も若いコバーチ・ガボルが潜水を決めた。彼はボクシングコーチの仕事をやっている。ハンガリー公共放送MTIの報道によると、潜水チームは2〜3メートルの長いはしごを利用して水中に降りて行ったが、水が濁っている上、流れが速く、何も見えなかった。撤退しようとしたとき、酸素ボンベのロープがはしごにかかり、閉じ込められてしまった。結局、救助チームが投入され、酸素ボンベのロープを切ってから抜け出すことができた。このような厳しい状況のため、MTIは、「地獄から蘇った」と報じた。サトマリ代表は、「コバーチは水中から出てきた後、呼吸ができず、酸素呼吸器を使わなければならなかったし、声も出なかった」とし、「それでも今は健康に支障なく休んでいる」と語った。

現在BAJAにいるサトマリ代表は、水の流れが凪ぐとみられる3日午前、再びブダペストに戻ってきて潜水作業に参加する計画だ。彼は、「他の地方にある有用な装備も新たに投入し、韓国潜水チームが来ただけに、韓国潜水技術も使う計画だ」とし、「船舶引き揚げが完了するまで、最後まで支援したい」と語った。

彼は、外国人救助のために危険なボランティアに出た理由を尋ねると、「実は韓国とは全く縁がない。しかし、国とは関係なく、すべての人間は大事であり、救助しなければならない。人間として人間を助けたかった」と話した。

●2人を救助したエムケ船長、「無事なのか」を問い合わせる

29日の事故当日、韓国人女性二人を救助した女性船長エムケ・ラウブのストーリーも、ハンガリーのメディアで話題となった。事故当時、現場の近くで他の韓国人を乗せて遊覧船を運転していたエムケ船長は、川にチューブを投げて中年女性二人を救助した。彼女は高校を卒業して6年が過ぎ、今年1月でキャプテンになった新人だった。

先月31日、事故現場の付近でようやく会ったエムケ船長は、「話すほど心が痛んで話したくない」と、インタビューを穏やかに断った。その代わり、「救助した方々は今元気に過ごしているか」と救助者の安否を尋ねた。

事故当日、エムケ船長の隣で他の遊覧船を運転していたノルベルト・マージョル船長に会って詳しい話を聞くことができた。彼は、「エムケ船長はラジオで事故のニュースを聞いた後、すぐに男性船員二人にすぐに出て行って救助せよと指示後、緊急ボタンを押して船を止め、本人も出て行った」とし、「彼女の船が最も現場近くにあり、二人を救出することができた」と語った。彼は、「エムケ船長は二人の中年女性を救助したが、救助当時、言葉がほとんど通じなかったので困ったと言っていた」とし、「だから搭乗していた韓国人の助けを借りた」と伝えた。エムケ船長は、より多くの人たちを助けるために、船を現場にさらに近いつけようとしたが、ややもすれば、人々が船の下に吸い込まる危険性があったので諦め、残念がったと伝えられた。

ノルベルト船長は、「フルームという船でも船員三人が乗り出して、乗客一人を川から引き揚げようとしたが、船が高くて引き揚げられず、人を船上から掴んでいて、他の救助隊が来て救助した」とし、「7人しか助けることができず、とても残念だ」と話した。

エムケ船長は1日夜、フェイスブックにマルギット橋が見える場所に置いたキャンドルの写真を上げて追悼の意を伝えた。


董正民 ditto@donga.com