トランプ米大統領が2016年の大統領選キャンペーンの情報と関連して、情報機関のトップではなく司法長官に機密かどうかの判断および公開の全権を与えたことをめぐって、攻防が大きくなっている。
トランプ氏は、ロバート・モラー特別検察官の「ロシア疑惑」捜査が始まった経緯を暴くとし、24日に大統領令を通じてウィリアム・バー司法長官に関連調査のための機密へのアクセスおよび公開の全権を与えた。また、各情報機関に「迅速で全面的な捜査協力」も指示した。トランプ氏は特検チームが今年3月、「決定的な一発」のない味気ない捜査結果を出した後、「特検捜査を捜査しなければならない」と不満を示した。米メディアは、大統領の今回の措置を一種の報復と見ている。
情報機関のトップに就いた経験がなく、この分野の専門家でもないバー氏がこの問題を扱うことは適切でないという指摘が出ている。特にバー氏が情報機関トップと事前に協議しなければならない対象を「司法長官が必要と考える内容」に定めたことが大きな論議を呼んでいる。情報機関トップが事実上、バー氏の指示によって機密情報解除の有無を決めることと相違ないためだ。ダン・コーツ国家情報長官(DNI)は、「国家安保を危険に陥れる恐れがある機密公開に対して、司法長官が情報機関トップと相談すると信じる」とし、「骨のある」牽制球を投げた。
トランプ氏の今回の措置が情報機関トップを無力化させるという懸念の声も大きくなっている。米紙ワシントン・ポストは同日、元情報機関関係者を引用して、「機密を扱う位置にない閣僚に公開の権限を与えたことは前例がない。情報提供者などが公開される可能性がある」と懸念を示した。米連邦捜査局(FBI)諮問委員を務めたジェームズ・ベーカー氏は、「情報機関トップを侮辱すること」と批判した。中央情報局(CIA)副局長だったマイケル・モレル氏も、「情報機関の規範を破壊する決定だ。米国の同盟国とパートナーが今後、米国と敏感な情報を共有しようとするか疑問だ」と加勢した。
下院を掌握する野党民主党も大統領を非難した。上院情報委員会の民主党幹事、マーク・ウォーナー議員はCBSに、「情報員が命をかけて収集する情報をトランプ氏とバー氏が政治化することができずいら立っている」と批判した。アダム・シフ下院情報委員長も、「大統領の権力乱用だ。国家機密を政治化し、武器化しようとしている」と非難した。
一方、サンダース大統領報道官は26日、NBCとのインタビューで、これに対する質問を受けると、「FBIで多くの腐敗が発生したとことを承知している。彼ら(FBI)は情報を流出させ、嘘をついた」とし、情報機関に責任を転嫁した。
ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com
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