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「中3の第一印象は生意気と思えるほどの自信感」 恩師チュ・ウォンホン氏が語る鄭現

「中3の第一印象は生意気と思えるほどの自信感」 恩師チュ・ウォンホン氏が語る鄭現

Posted January. 26, 2018 08:10,   

Updated January. 26, 2018 08:59

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「こんなこと言うと何だけど、生意気だったので選びました。国際舞台で成功するためには自信がなければならないのだが、生意気と思えるほど自信に満ちていた」

朱元洪(チュ・ウォンホン)元大韓テニス協会会長(62)は鄭現(チョン・ヒョン=22、韓国体育大学)が韓国人では初めてテニスの全豪オープンシングルス4強に進出すると、「やってくれると思った」と興奮を隠さなかった。今の鄭現に成長するまで、朱氏の存在は大きい。

「鄭現が中学校3年生のとき、お父さんが連れてきて見て欲しいといわれた。当時、海外のテニスアカデミーに行ってフォームが完全に崩れていた。もともと出来る子だったので関心があったけど、大胆な性格が大きな仕事をしてくれるそうだった」

朱氏は、韓国テニス界では「ミダスの手」と呼ばれる。パク・ソンヒ、ユン・ヨンイル、李亨沢(イ・ヒョンテク)、チョン・ミラ、チョ・ユンジョン…。そして鄭現まで、いずれも朱氏が発掘・育成した。1990年初めから私財を投じて指導した。パク・ソンヒは世界女子テニス(WTA)ランニング57位まで上がり、李亨沢は2000年と2007年の全米オープンで韓国選手では初めてベスト16に進出した。

朱氏は鄭現を三星(サムスン)のジュニアプログラムを通じて後援を受けられるよう間を取り持った。当時、三星証券のキム・イルスン監督とユン・ヨンイルコーチに「しっかり育ててみて」と頼み込んだ。三星の指導を受けてから1年半後の2013年のウィンブルドン・ジュニアシングルスで準優勝し可能性をアピールした。2016年に激しいスランプに襲われたときはツアーに参加しないで基本から修正するようアドバイスした。

「鄭現は、歯が不正咬合だった。それでは他の関節にも問題が生じかねないと言ってあげた。そしてワイルドカードでツアーに出て負けたので、自信もなくしていた。休養しながら関節治療を受けさせた。全羅北道全州(チョルラブクト・チョンジュ)に専門家がいたのでそこに送った。テニススター出身で心理学博士のパク・ソンヒに心理治療もお願いした。フォームも基本から作り直すようにした。そうして4ヵ月ほど経つと復活したのだ」

朱氏は、「これからがもっと重要だ。引き続きグランドスラム4強以上の成績を出すためには、徹底した管理が必要だ」と話した。その上で体力の重要性を強調した。技術が進化し運動量が増えると負傷のリスクが高まるからだ。それに耐えられる体力を作らなければならないと言う。

1969年に友達に誘われてテニスを始めた朱氏は、スターとは程遠かった。代表選手になったこともない。だが指導者としては韓国テニスの歴史を変えた。1983年に米国に留学し、先進の指導法を身につけて帰ってから後輩たちを指導した。朱氏は、「知的能力を育てないアスリートは限界にぶつかる。アスリートも勉強しなければならない」と言い、「勉強するアスリート」を強調している。子供のときから朱氏に「英語を習いなさい」と言われた鄭現は英語もうまい。朱氏は、「海外に出て英語ができないと気後れしてしまう。一つの言語だが、自信感に与える影響が大きい」と話した。



梁鍾久 yjongk@donga.com