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「秋の作曲家」ブラームスと一緒に苦悩を眠らせましょう

「秋の作曲家」ブラームスと一緒に苦悩を眠らせましょう

Posted September. 13, 2016 08:52,   

Updated September. 13, 2016 09:34

1892年に、ブラームス(写真)にはどんな出来事があったのでしょうか?同年、彼はピアノ小品集「3つの間奏曲」Op.117を作曲します。穏やかでありながら寂しいこの3つの曲を彼は、「私の苦悩の子守歌」と呼びました。苦悩を眠らせる子守歌だなんて。

ブラームスの年譜を探してみれば、この年に姉が死亡し、親しかった女性の教え子「エリザベート」が亡くなりました。そのほかに特別な出来事はあまりありません。身近な人たちがこの世を去ることは、常に起きることであり、この二人の死がブラームスの「苦悩」と特別な関係があるかどうかは定かではありません。

3曲のうち、「子守歌」らしさが最もよく現れている作品は、最初の曲である変ホ長調の小品です。穏やかな8分の6拍子のリズムがまるでゆりかごを揺らすような感じを与えます。ブラームスは、楽譜に旧スコットランドの素朴な子守歌の歌詞を2行書き入れました。「ぐっすり眠りなさい、我が子よ、ぐっすり、きれいに/君が泣くと私がつらくなる」

旋律が流れている中、キーノートであるEフラット音が、ため息や慰めのようにちりばめられて、深い印象を残します。中間部はより素敵です。左手が素敵な分散ハーモニーを引くので、まるで長い時間が流れ、また流れているような回想のような感じを与えます。そして、またもや母親のため息のような子守歌のメロディです。

よくブラームスは「秋の作曲家」と呼ばれます。出世作である「ドイツ・レクイエム」や「晩秋の交響曲」と呼ばれている交響曲4番、孤独や憂愁の感じを濃くにじませるクラリネット5重奏曲などが、特に秋に愛されます。曇った日が多く、風が多く吹く北部ハムブルクで成長したことも一因かもしれません。もちろん先に紹介した「3つの間奏曲」も、秋に聞きやすい作品として強くお勧めします。

祝日の連休を控えているのに、あまりにも寂しい作品をお届けしたでしょうか?誰も日常の中の些細な苦悩は持っているはずです。今回の秋夕(チュソク、陰暦8月15日の節句)連休には、どうか皆様の苦悩を「ねんねん」と寝かせ、周りを見回すようなゆとりを持って頂ければと思います。19日、ソウル芸術の殿堂IBKチャンバーホールで行われるシン・ジヨンのピアノ独奏会で、ブラームスの「3つの間奏曲」が演奏されます。



유윤종 ユ・ユンジョン記者 기자gustav@donga.com