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[オピニオン]卓球の「うちのヨンシギ」

[オピニオン]卓球の「うちのヨンシギ」

Posted August. 18, 2016 07:52,   

Updated August. 18, 2016 08:11

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女子バレーボール代表チームのキャプテンである金軟景(キム・ヨンギョン=28)は、ネットユーザー間では、「うちの姉貴」と呼ばれている。サッカー選手であるクリスティアーノ・ロナウドを、国内ファンたちが愛情や親しみを込めて、「うちの兄貴」と呼んでいるのと同じだ。リオデジャネイロオリンピックは、韓日戦で30点を記録し、逆転勝を率いた「うちの姉貴」についで、「うちの弟」を輩出した。男子フェンシングの朴相泳(バク・サンヨン)選手(21)のことだ。

◆フェンシング・エペ決勝では10対14で負けていたが、彼は「僕はできる」と独り言を繰り返した後、立て続けに5得点を獲得し、金メダルを手にした。カメラがとらえた「できる」というシーンは、全国民に胸いっぱいの感動をプレゼントした。不可能かに見えた逆転ドラマの奇跡を作った「前向き青年」は、その後、「うちの弟」と呼ばれている。今、「うちの~」シリーズの新しい家族として、「うちのヨンシギ」が合流した。

◆卓球代表チームの鄭榮植(チョン・ヨンシク)選手(24)のことだ。男子シングル4回戦で、世界ランキング首位の馬龍選手に逆転負けしたのに続き、男子団体準決勝では、ランキング4位の張繼科選手にも負けた。試合に負けてもピンポンスタートして注目を集めるのには、理由がある。卓球が1988年のソウルオリンピックで正式種目に選ばれた後、これまで金メダル30個中26個は中国のものだった。敗北が目に見えているのに、うちのヨンシギは、ひるまない闘志で相手に押されない試合を戦い、世界最強チームの肝を冷やした。今年で24歳だから、4年後は韓国卓球が万里の長城を超えるかもしれないという可能性を示したのだ。

◆「人々は結果についても歓声を上げるが、その過程においても感動する。鄭榮植選手の闘志や根性は本当に素晴らしかった。僕は絶対に勝つ、テレビ越しに感じられる闘志に、自分も何かのためにあれほど一所懸命に切に願ったことがあったのかと思った」。とあるネットユーザーは、「宇宙人の中国に立ち向かう地球の代表」と、うちのヨンシギの覇気や根性に歓声を挙げた。鄭選手は語る。「周りから、中国には絶対勝てないと言われているが、正直言って限界などどこにあるのかと思う」。訓練場に一番先に来て電気をつけ、最も遅く電気を消す選手が、ほかならぬうちのヨンシギだ。負けてもあきらめない真なるオリンピックスターたちが誇らしい。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com