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[オピニオン]現代の予言者アルビン・トフラー

[オピニオン]現代の予言者アルビン・トフラー

Posted July. 01, 2016 07:39,   

Updated July. 01, 2016 08:31

いつの時代にもその時代の予言者がいる。古代イスラエルには、バビロニアとアッシリアの没落を見通した予言者イザヤがいた。古代ギリシャには、デルフォイ神殿の神託があった。オイディプスは父親を殺して母親と結婚することになるという神託を聞き、運命を避けようとしたが、その努力がかえって神託の予言どおりに帰結する。占うことと科学を学ぶことには大きな違いがありそうだが、科学の目的も結局は予測することだと科学哲学者カール・ポパーは言った。

◆1日先も見通すことができないのが人間だが、それゆえ先を見通そうとする欲求が生まれる。未来学者は現代版デルフォイ神殿の司祭だ。アルビン・トフラーは、その神殿の祭司長のような存在だった。トフラーは、知識情報社会を見通し、遺伝子コピー、パーソナルコンピューター(PC)の波及力、インターネットの発明、在宅勤務などを予想した。一時、すべての人がトフラーが何を語るのか耳を傾けた。彼の本「未来の衝撃」、「第三の波」、「富の未来」などは世界的なベストセラーになった。

◆トフラーは、米ニューヨーク大学で英文学を専攻したが、卒業後5年間、アルミニウム製造工場の溶接工業として働いた。その経験をもとに、詩と小説を書こうとしたが素質がなかった。その代わり労組の新聞社に席を移し、経営と技術分野のコラムで頭角を現わした。後に経済専門誌フォーチュンでも働いた。その後、IBM、ゼロックス、AT&Tでコンピュータの社会的波及力などを研究し、不可思議な運命によって未来学者になった。

◆トフラーは韓国とも関係がある。2001年、金大中(キム・デジュン)大統領(当時)にサイバーインフラの構築、知識基盤経済への転換、生命工学への投資、教育制度改革などを提案した。2006年、朴槿恵(パク・クンへ)ハンナラ党代表(当時)には、バイオ、脳科学、ハイパー農業、代替エネルギーなどを未来成長動力として提示した。トフラーをヘンリー・キッシンジャーやサミュエル ハンティントンのような偉大な学者だと言うことはできない。トフラーには学者よりも「グル」(guru・導師)という用語がふさわしい。賢明なグルが27日、亡くなった。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員pisong@donga.com