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[オピニオン]「李承晩国父」発言を巡る騒ぎ

[オピニオン]「李承晩国父」発言を巡る騒ぎ

Posted January. 16, 2016 08:00,   

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韓相震(ハン・サンジン)ソウル大学名誉教授は、「中民論」を主張する。運動圏の民衆論では韓国の民主化を説明するのに限界があり、中産層と民衆を結合した「中民」という言葉を作ったという。韓国の民主化は、近代化の失敗によって貧困に苦しみ疎外された無産層(民衆)が率いたのではなく、近代化の成功で形成された中産層が改革を指向したことで実現したという論理だ。近代化を成功と見ることは、李承晩(イ・スンマン)、朴正熙(パク・チョンヒ)時代に対する肯定的評価を前提とする。

◆韓教授が、「国民の党」創党準備委員長の資格で李承晩元大統領の墓地を参り、李承晩元大統領を「国父」と言及し、論議を呼んだ。1948年の大韓民国政府の樹立を建国の時と見るのはニューライト史観ではなく常識的な自然な認識だ。大韓民国政府の樹立が建国でないなら、臨時政府樹立はさらに建国ではない。亡命政府は元来あった政府が移ったものだが、臨時政府は政府ができる前段階をいう。大韓民国政府の樹立が建国でないなら、大韓民国は建国されなかったというおかしな話にしかならない。

◆「国民の党」は、韓教授の発言が物議をかもすと、15日、金九(キム・ク)墓地も参拝すると明らかにした。金九は、大韓民国政府の樹立には参加しなかったが、金日成(キム・イルソン)主席に合流・協力した朴憲永(パク・ホンヨン)、金元鳳(キム・ウォンボン)、呂運亨(ヨ・ウンヒョン)とは違った。金九の南北統一の意志は高貴なものだ。ただ、最初から金九墓地参拝を計画していたのならいいが、予定になかった参拝をあたふたと入れる姿は堂々とした態度とは言えない。

◆安哲秀(アン・チョルス)議員はある講演で、映画「トンマッコルへようこそ」について、「国防軍と人民軍が力を合わせて米軍と戦う内容を見て、時代の精神を読んだ」と話すのを聞いて驚いたことがある。「解放戦後史の認識」の類の勉強に没頭すれば出てくるような反応だ。解放後、臨時政府の要人のうち死亡または疾患者を除く26人の中で、北朝鮮に行った金元鳳ら6人、政府樹立に参加しなかった金九ら3人を除いて、残りは大韓民国政府に継承されたという事実ぐらいは安議員も知っていると信じたい。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員pisong@donga.com



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