Go to contents

[社説]中国人民元と米金利引き上げの津波を政府と国会はただ見ているばかりか

[社説]中国人民元と米金利引き上げの津波を政府と国会はただ見ているばかりか

Posted December. 16, 2015 07:46,   

한국어

中国人民銀行が連日、人民元安を誘導していることを受け、ドル比元相場は15日、1ドル=6.4559元で、2011年7月以降最高値に上昇した。世界経済が再び「為替戦争」に包まれるのではないかという懸念が出ている。さらに、米連邦公開市場委員会(FOMC)が17日未明、2006年以降9年6ヵ月ぶりに金利引き上げに踏み切り、原油価格の下落が続くことになれば、グローバル経済に「三角津波」が押し寄せてくるだろうという恐怖が膨らんでいる。対外経済環境が緊迫化している中、野党は構造改革法案の足を引っ張り、政府は国会のせいにばかりしているので、果たして危機に対処できるかどうか疑問だ。

米金利引き上げが迫っている中、14日、国際金融市場は「緊縮発作」の症状を見せた。同日、日本や韓国、インドネシアなど、アジア諸国の証券市場は急落し、為替変動性が高まって乱高下した。米国の金利引き上げで、新興国から資本が大量に流出されれば、1997年、東南アジアから始まった通貨危機に、再び見舞われかねないという不安が高まっている。当時の通貨危機も、米国の1994年の金利引き上げ後に起きた。幸い、15日、総合株価指数(コスピ)や店頭市場(コスダック)は持ち直したが、最近、原油をはじめとする原材料価格の下落で、ブラジルやロシア、ベネズエラなどの新興諸国の経済が破たん状態に陥っており、外部状況は20年前よりさらに悪化している。

中国が人民元切り下げに乗り出したのが、不確実性をさらに増大させている。中国は14日、人民元の為替相場を、ドルに連動させる代わりに、主要13か国の通貨を含めた「通貨バスケット」に連動させると明らかにした。米金利引き上げを控え、それにつられての人民元高を防いで、輸出競争力を確保しようとしているのだ。人民元が切下げられれば、韓国は中国製品との価格競争で不利になり、ウォンが元に同調現象を見せれば、韓国証券市場にも悪材料として働くものとみられる。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は14日、首席秘書官会議で、国会が経済活性化法案を早急に処理するよう促しながら、「供給過剰に陥っている業種について、事前に構造調整を行わなければ、全体的に大危機に陥ることになり、それは大量失業に繋がらざるを得ない」と強調した。野党は、内訌に包まれて、国会と民生に目もくれようとしない。一体、労働改革5法と企業活力強化特別法処理にいつまで背を向けるというのか。

しかし、政府が国会のせいばかりにしていては切迫さは感じられない。与党セヌリ党の李漢久(イ・ハング)議員は最近、メディアとのインタビューで、「国会が協力しないからできないという言い訳ばかりせず、政府でできることはきちんとこなすべきだ」と一喝した。米国や欧州、日本などの大国が、それぞれ自国の利益のために、お互い異なる方向に全力を傾けている世界経済の混乱期に、韓国の政治リーダーシップは、お互い他人のせいばかりにしており先が見えない。経済難局乗り切る最終責任は、結局政府にある。