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世界が認めるベース、延蹯哲氏「ワグナーは何度歌っても常に新しい」

世界が認めるベース、延蹯哲氏「ワグナーは何度歌っても常に新しい」

Posted November. 12, 2015 07:33,   

延蹯哲(ヨン・グァンチョル)氏が18、20、22日、ソウル芸術の殿堂のオペラハウスで国立オペラ団が約40年ぶりに披露するワーグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」のダラント船長役を務める。20日はキム・イルフンが交代で出演する。10日、芸術の殿堂の練習室で延氏に会った。

「常に新しいと言うのは陳腐ですか。ワーグナーは他の作曲家とは違って、オペラのすべての台詞を彼自身が書きました。オーケストラも伴奏に止まらず、出演陣の感情を演奏で表現します。そのため、声楽家に大いに依存するイタリア系のオペラとは違って、演出家や声楽家、オーケストラによって多彩なバージョンを作ることができるので新しいんです」

延氏のワーグナーオペラの礼賛はかなりのものだった。昨年のバイロイトで延氏は、「さまよえるオランダ人」、「ワルキューレ」、「タンホイザー」の3作品に出演し、4週間で16回も舞台に上がった。なぜ殺人的なスケジュールに臨むのかと尋ねると、「他人がするのが嫌だった」という多少欲張りな返事が返ってきた。

今回の「さまよえるオランダ人」は、原作を再解釈して時代背景を18世紀から50年前に変え、舞台も現代化した。

「ダラントは、娘を貧しい漁師の婚約者ではなく裕福なオランダ人船長と結婚させようとする父親です。以前は老練で余裕に満ちたキャラクターでしたが、今回は不安で小心者の鯨取りの船長に変わりました。演出家の意図はよかったです」

延氏も若い頃、東洋人のうえ声楽家としては低い身長(170センチ)がコンプレックスで、外国からの偏見も強く、人に言えない苦労をした。延氏を導いたのは、延氏の声を気に入ったバレンボイムだった。

「日本公演を準備していた時でした。私のことなのか分かりませんが、日本の製作会社の関係者が、「今度はヨーロピアンのシンガーだけで構成することを望む」と言うと、パレンボイムは「私もヨーロピアンではない」と一蹴して私を連れていきました」。パレンボイムはアルゼンチン出身のユダヤ人だ。

そのため、延氏も後輩を導く苦労を惜しまない。今回共演するテナーのキム・ソクチョル(エリック役)も来年バイロイト祭りに招待されたが、延氏の積極的な支援が大きな力になった。

延氏は2018年まで出演スケジュールがつまっている。来月、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場でのヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」をはじめ、ロンドンのロイヤル・オペラハウス、ウィーン国立歌劇場、パリ国立オペラ、テアトロ・レアルの舞台に立つ。

どんなに忙しくても、延氏は年末に2ヵ所で大切な舞台を行う。忠州(チュンジュ)が故郷の延氏は、12月に忠州文化会館で独唱会を開く。故郷での公演は今回が2回目。そして清州(チョンジュ)大学の恩師がいる老人養護施設でも公演を行う。

「高齢の方々が2時間以上オペラを見ることは簡単なことではないので、訪ねて行って韓国やドイツの歌曲を歌う公演を準備しました。恩師のための公演は、ベルリン音大時代の恩師のために、恩師の自宅で公演をしたことがあるんですが、それと同じようにさせて頂きたかったんです。恩師は耳が聞こえにくくなっていますが、音楽への情熱は素晴らしいです」

世界的に名声のある声楽家がそのような舞台で公演すれば「スタイルがくずれる」のでは。

「名声は他人が作るものです。自分がすることにプライドがあるなら、名声は空しいものです。他人の視線を気にする必要がありますか」

チケットは1万〜15万ウォン。1588−2514



suhchoi@donga.com