姜徳寿(カン・ドクス)前STXグループ会長は、一時「サラリーマン神話」の主人公だった。姜氏は1973年に大卒の平社員として双龍(サンヨン)グループに入社した。双龍重工業の役員だった2000年、会社が退出企業に選ばれると、私財をはたいて買収し、翌年STXをスタートさせた。「姜徳寿STX」は、経営難の企業を次々に買収して経営を正常化させ、財界序列10位に迫るほど急成長した。
◆2008年、世界的な金融危機で世界経済が凍りつき、攻撃的な経営は逆風を迎えた。海運に続き、造船、重工業の系列会社の資金事情が悪化した。姜氏は会社を立て直すために個人の財産も出したが、流れを変えることはできず2013年に経営から退き、「失敗した企業家」に転落した。泣きっ面にハチで、昨年4月に粉食会計、背任、横領の容疑で拘束され、1審で懲役6年の実刑を言い渡された。姜氏の人生で最悪の時だった。
◆ソウル高裁刑事5部は14日、控訴審の公判で、1審よりも量刑が軽い懲役3年、執行猶予4年を宣告し、釈放した。裁判所は、検察が姜氏に適用した容疑のうち、2兆ウォン代の粉食会計容疑は無罪、背任容疑は80%以上無罪と判断した。STXの経営を正常化するために努力した点や元役員や労組幹部、清掃員、警備員まで善処を求める嘆願書を裁判所に提出したことも情状酌量に影響を与えた。姜氏は、拘束から1年半ぶりに囚人服を脱いで社会に復帰した。
◆姜氏は釈放後、経営再起への意欲を慎重に表明したが、容易なことではない。保有するグループの株はほとんどなく、私財も多くないという。1、2審で有罪判決を受けたことも障害だ。ただ、一緒に仕事をしたり近くで見守った多くの人が裁判で没落した元経営者の善処を訴えたという「徳寿イメージ」は無形の資産だ。囚人服を脱いだ姜氏が再起に成功し、地に落ちた「サラリーマン神話」を復活させることができるか注目される。
権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com
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