京南(キョンナム)企業の元会長の故成完鍾(ソン・ワンジョン)氏が2012年、大統領選挙当時、与野党の有力政治家3人に、億ウォン単位の金を渡したという証言が出てきた。成氏のとある側近は、成氏と一緒に3つの書類カバンに1億、2億、3億ウォンずつを、自分で分けて入れたと明らかにした。氏はその後、成氏の発言から見て、この金入りカバンは、与党セヌリ党の関係者2人と最大野党新政治民主連合(当時の民主統合党)重鎮議員1人に手渡されたものと見られると主張し、その実名まで口にした。
成氏が先の大統領選挙の時金を撒いたという具体的な証言が出てきたのは、京南企業のハン・ジャンソブ元副社長の検察での供述に次いで2度目だ。ハン元副社長は成氏の指示で、2012年の大統領選挙直前に2億ウォンをキム某氏(大統領選挙当時は与党セヌリ党の中央選挙対策委員会副報道官)に手渡したが、その後、その金が誰に伝わったのかは知らないという。今回の証言は、誰に伝えられたかを明らかにしたことで、違いがある。この人が名指したセヌリ党の関係者2人は、成氏のリストの中の人物8人に含まれており、野党関係者は新しい人物だ。この側近の証言は、金を伝える場面を直接目撃していないことから、証拠能力としては限界がある。
成氏のリストに登場した8人のうち、大統領選挙資金と関係のありそうな人物は、洪文鐘(ホン・ムンジョン)セヌリ党議員、劉正福(ユ・ジョンボク)仁川(インチョン)市長、徐秉洙(ソ・ビョンス)釜山(ブサン)市長だ。しかし、洪議員だけが成氏の肉声録音記録に一部の情況が言及されているだけで、残りの2人は、リストに名前や金額が書かれていることを除き、資金の授受を裏付けられるほかの情況がない。しかし、新しい証言が次々と出ている上、成氏と一緒にカバンに金を詰めたという側近が、捜査に協力する意思を明らかにしたことを受け、大統領選挙資金関連捜査は新しい局面を迎えることになった。
今回の証言は、成氏が野党にも大統領選挙関連資金を手渡したことを示している。成氏は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代、2度も釈然としない特別赦免を受けた。成完鍾関連捜査は与野党を問わず、政治圏全体への違法政治資金や大統領選挙資金捜査へと拡大せざるを得なくなった。検察捜査は聖域の無い捜査で、政経癒着の腐敗した慣行に浸っている政治圏に警鐘を鳴らさなければならない。






