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64年間待ち焦がれて乾いた涙、4年前より「淡々とした再会」

64年間待ち焦がれて乾いた涙、4年前より「淡々とした再会」

Posted February. 25, 2014 04:42,   

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イ・ヨンシルさん(88)は20日、離散家族再会の夕食会で、会いたかった娘のドン・ミョンスクさん(67)を前にしても話すらしなかった。ドンさんが、「私はお母さんに会いたくて探しました」と涙声で言っても、イさんは「そうですか」と答えた。イさんの目は赤くなっていたが、表情に悲しみは見られなかった。

4年ぶりの離散家族再会。例年よりも「激烈な悲しみ」が少なくなったと言われている。なぜか。時間があまりにも経ち、感情が干からびたからか。再会の様子を分析した美術解剖学者や精神医学者などの専門家は24日、「そうではない」と断言した。

表情の研究者として有名なチョ・ヨンジン博士(美術解剖学)は、「年を取って固まってしまった表情の筋肉によって、内面の込み上げる感情を表現したくてもできないだけだ」と指摘した。離散家族の高齢化が今のように深刻でなかった2000年の1回目の離散家族再会の時は、抑えきれない悲しみと喜びの表情が見られたと、チョ博士は言う。このような激しい感情は、顔の筋肉の収縮と緊張を通じて「不随意的に」(無意識的に)表出する。しかし、高齢化によって身体と脳の活動が鈍化し、表情の筋肉も共に鈍くなるため、苦しみと悲しみの内面の感情が表情に十分に出ない。チョ博士は、「他人の目には淡々とした表情のように見えるが、実際には老化と痴呆などで深い感情を表情に出すことができない」と説明した。

仁済(インジェ)大学医学部神経精神科学教室のウ・ジョンミン教授は、「64年という歳月の間、抑制され疲れ果てた諦めの表情だ」と定義づけた。分断という「他意」によって家族に会えない苦しみをあまりにも長い間抑えつけて暮らしてきたため、懐かしさの感情が色あせたということだ。再会した家族と新しい未来を築けないという「諦念の心理」も表情に出る感情の強度を下げる。

ソウル大学医学部精神健康医学科のキム・ソクチュ教授は、「60年以上、『会える』という希望と『今回も会えない』という絶望の交差が繰り返され、感情が鈍ったことによる複合的な内面心理の結果だ」と分析した。キム教授は、「家族、特に別れた歳月の間、両親の死も知らず、看取れなかったという罪悪感、再会後に再び会うことができず、これで終わりだという憂いが暗い表情となって表れる」と指摘した。