Go to contents

米量的緩和の縮小、予見した措置だが、市場不安に備えるべき

米量的緩和の縮小、予見した措置だが、市場不安に備えるべき

Posted December. 20, 2013 04:29,   

米中央銀行ともいえる連邦準備制度(Fed)が、量的緩和縮小(テーパリング)の開始を決めた。Fedは来年1月から、米財務部の国債やモーゲージ債権の買い付け規模を、月850億ドルから750億ドルへと、100億ドル減らすと明らかにした。欧州や日本は、「量的緩和を続ける」という意思を表明しているが、これらの国々も、自国や世界経済の動きを見極めながら、テーパリングの時期を探るものと見られる。

Fedは08年、グローバル金融危機が始まると、その翌年から現在に至るまで、計3兆ドル(3160兆ウォン)以上を供給してきた。量的緩和とは、「景気刺激のため、金利とは関係なく資金を供給する」という意味であり、大変異例かつ異常な政策だ。何時までも続ける政策ではない。市場もいつか、量的緩和政策が出口を探すだろうと予想しており、今回の100億ドルの縮小規模も同様に、予測していたレベルだった。

量的緩和の縮小は、「米景気回復への米政府や通貨当局の自信が固まっている」という意味に受け止めることもできる。世界経済はもとより、輸出依存度の高い韓国経済には嬉しいニュースだ。米国は今年と来年の国内総生産(GDP)の予測値を、ともに引き上げた。テーパリングが発表されると、ドル高が進み、米証券市場も、「不確実性が消えた」と高等振りを見せている。

ただ、短期的には衝撃があるものと見られる。米国が資金供給を減らし始めれば、新興諸国の資金市場では資金不足になり、株や外国為替市場が萎縮しかねない。流れ出る資金を食い止めるため、金利を引き上げれば、景気に悪影響を与える。金利が上がれば、借金の多い企業や家計にも、相当負担を与えかねない。今年5月、Fedが、テーパリングに触れただけで、インドやインドネシア、トルコ、タイ、ブラジル経済が大きく揺らいだ。テーパリングの衝撃が、予想のほか大きい場合、新興諸国への輸出が萎縮しかねない。

幸い、韓国はほかの新興諸国より事情はましなほうだ。通貨危機やグローバル金融危機を経て、金融や企業など、経済主体らの基本体質がよくなったからだ。外貨保有高は3450億ドルも積まれている。経常収支は史上最大規模の黒字となっている。過度な楽観は困るが、あえて悲観する理由などない。政府は、シナリオ別の対策を予めまとめ、金融や為替、実体市場をきめ細かく見守りながら、市場不安が大きい場合、状況に合わせた対応策を展開すればよい。企業や家計も、「今の低金利は永遠に続けられない」ということを、はっきり認識しなければならない。