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「客が希望するなら、何でもする」ファミリーオフィスサービスが浮上

「客が希望するなら、何でもする」ファミリーオフィスサービスが浮上

Posted August. 28, 2013 03:33,   

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「米ボストンで大学に通っているうちの息子が、学校の休み中、米国でインターンとして働けるところを探しているが…」

数ヶ月前、シンヨン証券・ファミリーオフィスの金應哲(キム・ウンチョル)サービス総括担当部長を訪れた客は、お茶を飲みながら、このように切り出した。客が席を離れるとすぐ、金部長は、ボストンに事務所を構えている米ファンド会社に連絡を取り始めた。

「最近、韓国物の取引が多いでしょう。まじめで賢明な韓国人の若者がいますが、インターンとして採用してみてはいかがですか」

関心を示した会社に、あらかじめ受け取っておいた客の息子の履歴書などを直接送ること数回。金部長は結局、客の息子をあるヘッジファンド会社にインターンとして採用させた。

ファミリーオフィスとは、客個人の資産ではなく、一家族や家門の資産を管理するところ。シンヨン証券は昨年4月、ソウル永登浦区汝矣島洞(ヨンドゥンポグ・ヨイドドン)の社屋10階に、「ファミリーオフィス」の看板をかかげ、本格的なサービスを開始した。

●客が希望するなら、何でもする!

ファミリーオフィスの客は、少なくとも数十億ウォンの資産を預けている「大口」だ。彼らが希望するのは何でも提供するというのが、会社の方針だ。金融を含め、生活関連のすべての相談やサービスを行うという意味だ。

真夜中に騒ぎを起こしたテナントを説得する仕事まで、代行したりする。不動産担当のユン・ファン人先任は、午前1時ごろ、睡眠中客からの電話を受け、飛び出したことがある。客の自宅前までかけつけたところ、客所有の商店を間借りしている人が、賃貸条件について、大声を上げながら抗議していた。このテナントは、ユン先任を見ると、「あなたは関係ない」と、いきなり水をかけてきた。しかし、ユン先任は、「そうすれば、問題は悪化しかねない」と説得を繰り返し、テナントを帰した。

美術品に関心の高い客には、有名ギャラリーのキュレーターが、別室に客を招き、美術作品を紹介し、説明する場を取り持ったりする。国内有名ゴルフ場を予約したり、グリーンフィーの割引を受けさせるサービスも頻繁に手がけている。

●ほかの金融会社も次々と導入

昨年4月、73世帯だったファミリーオフィス客は、最近150世帯へと増えた。会社の役員や従来の客から推薦を受けてこそ、加入できるのに、1年4ヶ月間で2倍に成長したのだ。

シンヨン証券ファミリーオフィスの申昌旻(シン・チャンミン)サービス総括常務は、「ファミリーオフィスは、客の息子や孫、親戚までも客として拡張できるメリットがある」とし、「オープン以来、これまで徐々に黒字を出している」と話した。米国などの先進国では、高所得層の場合、代を次いで金融担当コンサルタントが、このような「トータルライフサービス」を提供している。

さまざまなメリットがクローズアップされ、韓国国内でも、ファミリーオフィスサービスを導入する金融会社が早いテンポで増えている。未来(ミレ)アセット証券は、朴鍱柱(パク・ヒョンジュ)会長の知人を中心に、年明けから、ファミリーオフィスサービスを開始している。三星(サムスン)証券も最近、中堅企業の2世最高経営者(CEO)らを対象に、ファミリーオフィス事業を開始しており、東洋(トンヤン)証券も6月、ファミリーオフィスを開始した。KDB大宇(テウ)証券は、このような形の事業開始を計画している。