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「スマートフォン中毒」の泥沼を掘る保護者ら

「スマートフォン中毒」の泥沼を掘る保護者ら

Posted August. 13, 2013 03:41,   

「朝ごはん食べなさい」。母親は息子を呼んだ。息子は答えなかった。いや、答えるのがいやだっただろう。スマートフォンのゲームに打ち込んでいたからだ。母親の催促が続いた。「XXうるさい」。息子の口から思いもよらない言葉が飛び出してきた。母親は憤りを抑えることができず、息子の頬を打った。息子もじっとしてはいられなかった。ゲームを楽しんでいたそのスマートフォンで、母親を112(日本の110番)に通報した。警察での取り調べの結果、母親は飲酒暴行の前科があり、息子を殴った朝も、その前日に飲んだ酒のアルコールが残っていた。先週、水原(スウォン)でおきた出来事だった。

このニュースを耳にしたとき、母親のアルコール依存症と共に気になったのは、息子のスマートフォン中毒だった。午前8時、スマートフォンのゲームに夢中になっている小学3年生の頭脳には、「食事をしなさい」という母親の声が入り込む隙などなかった。酒臭い母親の声は、スマートフォンの画面に具現化されている自分の世界を侵す「うるさい」対象に過ぎない。その上、暴力まで振っており、警察で供述したように、「腹が立ったがために通報」しなければならない現行犯だったはずだ。

この事件で、アルコール依存症と警察への通報という二つの事実を除けば、スマートフォンをいじる子供の姿が残る。日常の中で、あまりにも簡単かつ頻繁に目にできるシーンだ。問題は、スマートフォン中毒の子供らが、あまりにも多いことだ。最近、女性家族部の調査の結果によると、全国小中高校生6人に1人の割合が、スマートフォン中毒危険群と分類された。スマートフォンがなければ、眠れないとか、食事ができないとかで不安や苛立ちを訴える子供らだ。

親もこのような中毒の危険性を知らないはずがない。しかし、子供に持たせたスマートフォンを再び取り上げるのは、戦闘同然だ。青少年相談福祉開発院・メディア中毒予防センターには、戦闘で敗北した親の相談が後を絶たない。その大半はこうだ。「娘がスマートフォンのチャットに夢中になっており、料金制をとめたところ、家出すると脅してくる」、「スマートフォンを取り上げれば、子供がクラスの友達と団体チャットをすることができず、サイバー上で苛めを受けるのではないか気になる」。保護者らは、中毒の泥沼から子供を救い出す方法など無いと訴えている。

子供をスマートフォンの中毒者にさせたのは、ほかならぬ保護者だ。飲食店に行ってもすぐ分かる。保護者らにとって、スマートフォンは、泣いたり機嫌が悪くなったりした子供をなだめる最高の手段だ。子供らは、おしゃべりをする保護者らの傍で、静かに座ってスマートフォンの画面を注視する。大人らの会話の邪魔をせず、ほかの客に迷惑もかけない。子供がスマートフォンの即刻的応答体系に馴染んでいくのを、「集中力が優れている」とほめるとんでもない両親もいる。子供らは、両親が掘った中毒の泥沼に嵌っていく。

メディア中毒予防センターのカウンセラーらは、「脳が発達する幼いときに、スマートフォンに嵌るほど、中毒の弊害も大きい」と主張している。9才の子供に告発された水原事件の母親は、もしかしたらこのような原罪の代価を払っているのかもしれない。cha@donga.com