「金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、馬息嶺(マシクリョン)スキー場など元山(ウォンサン)観光特区を人民から自分の力量と能力を評価される場と考えているのかもしれない」
北朝鮮のいわゆる「戦勝節」(休戦協定締結日)60周年記念式に出席するために訪朝したパク・サングォン平和自動車社長は、馬息嶺スキー場など元山観光特区を見た感想をこのように伝えた。北朝鮮が、北朝鮮制裁によって国際的に孤立し、開城(ケソン)工業団地の再稼働が難航していることから、新たな「外貨稼ぎ」創出に苦慮している様子がうかがえるということだ。パク社長は米国の市民権者で、これまで215回訪朝し、北朝鮮の現地事情を誰よりもよく知る人物とされている。
馬息嶺スキー場の工事現場を訪れ、北朝鮮の工事担当者に会ったパク社長は、「金第1書記が10年かかる工事を無条件年内に終わらせるよう指示し、数万人が作業していた」とし、「スイスから取り寄せる予定のリフトの代わりに白頭山(ペクトゥサン)の三池淵(サムジヨン)付近のスキー場にあったのを使うと言っていた」と話した。今年の水害で被害を受けたとされた馬息嶺スキー場は、下の部分が少し崩れただけで上部はあまり損傷がなかったと、パク社長は伝えた。
北朝鮮は、スキー場を含む元山の明沙十里(ミョンサシプリ)海水浴場をつなぐ元山観光特区の開発に総力をあげている。最近では、セナルホテルと海岸に新しく建てた軍人ホテルも観光用に利用することを決めた。パク社長は、「シンガポール、香港、中国の富裕層が、この地域に投資のために来ていると言っていた」と伝えた。
パク社長は、平壌(ピョンヤン)に行った感想を、「平壌市内では、5センチも空き地が見られないほど大々的に美化事業が行なわれていた」と説明した。平壌市内を走る電車の代わりにバスが登場し、電力環境も以前より良くなっていたという。映像で公開した平壌の「ヘダン会館(韓国の住宅商店複合に該当する住民総合便宜施設)」には、浴場やビリヤード場などが完備されていた。パク社長は、「ビリヤードが上手な女性たちがビリヤードを教え、全体的にきれいな施設で洗練されていた。これまで平壌では見られなかった『足マッサージ店』もできた」と伝えた。
パク社長のこのような話に対して、パク社長は事業のために訪朝し、指導層の案内を受ける立場なので、北朝鮮の実状を100%知ることは難しい、と専門家たちは分析する。ある北朝鮮問題専門家は、「あくまでも北朝鮮の統制下で外部者に公開された状況を見聞きしたものだ。一般住民の疲弊した暮らしが共存しており、北朝鮮の姿には両面性がある」と述べた。
一方パク社長は、金第1書記の妹、金汝貞(キム・ヨジョン)氏の印象も紹介した。パク社長は、「今回の訪朝で金汝貞氏に会えなかったが、以前よく目にした。頭が良さそうで行動が早く、軍人からあいさつを受ける姿に良い印象を受けた」と話した。叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)氏については、「体が弱そうだったが、姿勢よく歩くのを見ると、今は(体の具合は)いいようだ」と付け加えた。






