野党民主統合党(民主党)が、朴槿恵(パク・クンヘ)政権下では初めての場外闘争に乗り出した。キム・ハンギル代表は31日午後、国会で緊急記者会見を行ない、「ソウル広場に国民運動本部を設置し、8月1日午前10時、国民と共にする初めての議員総会を開催する」と明らかにした。西海(ソヘ・黄海)北方限界線(NLL)問題で政争中断に方向を定めたが、国家情報院(国情院)大統領選挙介入疑惑真相究明国政調査特別委員会に元世勲(ウォン・セフン)前国家情報院長と金用判(キム・ヨンパン)前ソウル警察庁長官を証人に立てることが難しくなり、指導力不在の批判を受けたことで選んだ方法だ。
●場外陣地の構築
キム代表は記者会見で、「セヌリ党による、国政調査期間45日のうち3度の空転と約20日間の調査中断、証人採択拒否で、これ以上国政調査に期待できない状況になった」とし、「民主党はこれまで国政調査を正常に稼動するために耐えてきたが、堪忍袋の緒が切れた」と主張した。
そして、「大統領府とセヌリ党が、国情院不法大統領選挙介入事件の真実究明と国情院改革に対する意志がないことが確認されたため、これ以上我慢できない」とし、「民主主義の回復と国情院改革国民運動本部」を構成すると明らかにした。本部長を務めるキム代表は、「院内外闘争と交渉を同時に行なう」と述べた。民主党は、ソウル市庁前広場にテントをはって国民運動本部にする計画だ。セヌリ党の態度しだいでは、当分の間ここで場外闘争を続けるということだ。
これに先立ち、同日午前、国会で開かれた民主党議員総会では、全面場外闘争をしようが院内外並行闘争をしようが、国会の外に出て行かなければならないという趣旨の発言が主流をなした。非公開の議員総会で李錫玄(イ・ソクヒョン)議員は、「国政調査の期限まで何日も残っていないが、セヌリ党が休暇を取るというのは話になるのか。国会をボイコットし、状況を覆さなければならない」と述べた。李穆熙(イ・モクヒ)議員は、「政府とセヌリ党が非合理的で非常識なやり方を続けるのなら我々はどうすべきか。国民に訴える方法しかない」と主張した。
禹相虎(ウ・サンホ)議員は、「現在(民主党が)危機状況だ」とし、「国政調査をあきらめるわけにはいかないが、強力な場外闘争が伴わなければならない」と主張した。朴映宣(パク・ヨンソン)議員は、「文在寅(ムン・ジェイン)たたきがすでに始まっている。皆ろうそくデモに合流しなければならない」と呼びかけ、李学永(イ・ハクヨン)議員は、「早く場外の陣地を構築しなければならない」と述べた。薛勲(ソル・フン)議員は「執行部の猛省が必要だ」とし、兪承希(ユ・スンヒ)議員は「執行部の気迫を見せてほしい」と叱責した。田炳憲(チョン・ビョンホン)院内代表は、「対話録の流出と行方不明の問題は特別検察を通じて真相を究明しなければならない」とし、「これと関連した検察捜査は、特別検察が行なわれるまで中断することを求める」と述べた。
●民主党、なぜ場外闘争?
国情院大統領選挙介入疑惑、NLL放棄発言論議、2007年南北首脳会談会議録行方不明事態が吹き荒れたこの約2ヵ月間、キム代表は党内外の対政府・与党強硬対応の主張を一蹴してきた。政府・与党と衝突する度に場外に出て行くなら、過去の野党と違いがないという考えだった。このためキム代表は最高委員会議などで、「重要なのは何よりも国情院の不法大統領選挙介入疑惑を暴くことだ」と主張した。キム代表側も、「場外闘争で得られるのは何か」と述べ、強硬派議員に対する不満を公然と吐露した。
しかし、元前国情院長と金前警察庁長官の証人採択問題をめぐって、セヌリ党との交渉が行き詰まり、キム代表をはじめとする執行部はコーナーに追い込まれた。党内外の非難を押し切ってでも勝ち取ろうとした国情院国政調査の成果が消える危機に直面したのだ。これに加えて、「文在寅責任論」をめぐって起こった党内対立と「指導力の不在」という指摘も重荷となった。このため、前日午後の院内代表団との会議で、キム代表は行動が必要だと決心したという。同日午前の緊急非常議員総会は、場外闘争に突入する名分を得るための席だったということだ。
キム代表の場外闘争決定に党内では、「場外闘争をするならもっと早くするべきだった」という批判と「場外闘争はセヌリ党の思うつぼだ」という批判が出ている。
セヌリ党は、民主党の場外闘争宣言に対して、「民主党自ら国政調査を放棄する自爆行為であり、交渉ではなく脅迫だ」と批判した。そして、「民主党の場外闘争の本当の意図は、国情院国政調査を空転させることにある。疑惑を拡大再生産して大統領選挙不服の政治攻勢の場にし、思い通りに成し遂げられないので不利な状況を覆すということだ」と主張した。
●証人採択合意の失敗
国情院国政調査特別委与野党幹事の権性東(クォン・ソンドン)セヌリ党議員、鄭鋻來(チョン・チョンレ)民主党議員は同日午前9時30分、国会で会って証人採択問題を調整したが、合意には至らなかった。
当初、与野党は、元前国情院長と金前ソウル警察庁長官を証人として採択する案に原則的に合意した後、別の証人を採択する問題をめぐって対立してきた。セヌリ党は、国情院女性職員監禁疑惑事件に関与した民主党の金玄(キム・ヒョン)、陳善美(チン・ソンミ)議員を、民主党は2007年の南北首脳会談対話録流出疑惑を受けている権寧世(クォン・ヨンセ)駐中国大使とセヌリ党の金武星(キム・ムソン)議員を証言台に立たせることを主張した。鄭議員は同日午後、金議員と権大使を証人として採択し、元前院長を国会で発言させなければならないという最終通告をした。






