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NLL騒ぎ、与野党が「不動の領土線」に合意して終えろ

NLL騒ぎ、与野党が「不動の領土線」に合意して終えろ

Posted July. 15, 2013 03:38,   

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野党民主党の洪翼杓(ホン・イクピョ)議員の「鬼胎」発言で中断していた国会議院活動が、洪議員の謝罪と院内報道担当の辞任、キム・ハンギル民主党代表の遺憾表明で正常を取り戻したことは幸いだ。だからといって、与野党の対立が消えたわけではない。洪議員の発言は偶発的に出たものではなく、民主党の一部の底辺にある大統領選挙への不服心理を反映している。「鬼胎」発言に劣らず深刻なのが洪議員がツイッターに書いた書き込みだ。洪議員は4月、ツイッターに「朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領は軍隊を利用して大統領職を簒奪し、その娘である朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、国家情報院(国情院)と警察組織を利用して、事実上、大統領職を盗んだ」とつぶやいた。民主党大統領候補だった文在寅(ムン・ジェイン)議員まで、「大統領選挙が非常に不公正に行われ、その恩恵を朴大統領が受けた」と主張した。

国情院心理情報局の女性職員が選挙介入性の数十のコメントを書き、初期の警察捜査が公正でなかったことは事実だが、だからといってこれが大統領選挙の結果を変えることができたわけではない。まさにこのような大統領選不服発言が出てくること自体が、民主党に民意の審判を謙虚に受け入れる自己反省が足りないためだ。

大統領選挙が終わって7ヵ月近く経ったが、民主党の親盧勢力から大統領選不服の声が出続け、その後遺症が続いているのは正常でない。大統領選挙の真の意味は変化と希望だ。権力の主体である国民がこれからの5年間、国家を経営する勢力を決定する民主主義の要諦だ。敗者は美しい承服で次回に臨み、勝者は効率的な国家運営に最善を尽くさなければならない。しかし、与野党は反対に進んでいる。国民は、大統領選挙の延長戦のように終わりのない政争にうんざりしている。

国情院の首脳会談対話録の公開と盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の西海(ソヘ・黄海)北方限界線(NLL)関連発言、国情院の選挙介入疑惑をめぐる泥沼の戦いの出口が見えない。そのような中、大統領選不服性の発言と暴言に監査院の4大河川事業監査結果の発表まで加わり、国民生活は後回しにされた。政治が過去に執着し、現在と未来の問題を置き去りにする方向に流れてはならない。

首脳会談対話録の論議は政治の領域で解決し、国民の判断に任せる事案だ。対話録論議の核心は、盧元大統領が北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記にNLLを放棄する発言をしたのかどうかだ。発言の中に「放棄」という単語が入っていないからといって、放棄発言をしなかったと主張することはできない。盧元大統領はNLLを「怪物」と表現し、国際法的な根拠もなく、論理的な根拠も明らかでないと述べた。「NLLを変えなければならない。金総書記と考えが同じだ」とも言った。NLLは、韓国の実質的な海上領土線だ。いくら西海平和地帯(共同漁労区域)という名分が良くても、挑発を止めない北朝鮮に領土線を譲歩しようとしたとすれば、これはNLL放棄ではなくて何だろうか。しかし、金総書記と盧元大統領の10・4宣言は、その直後の大統領選挙で李明博(イ・ミョンバク)大統領が圧倒的な票差で当選したことで、事実上不渡り小切手となった。

与野党の合意どおり国家記録院に保管されている対話録を閲覧し、国情院が公開した対話録と違いがあるのかどうか確認する必要がある。国家記録院の保管用が国情院のそれと比べて、表現が多少加えられた可能性もある。しかし本質に違いがないなら、これ以上新たな火種を作る理由はない。与野党はこの機に、NLLが「不動の領土線」という点をはっきりと合意し、論議を終わらせることを願う。領土と国家安全保障はいずれも変えることができない核心的な価値だ。

国情院の国政調査は、当初政争の素地があったが、すでに与野党が合意したなら、国情院の政治介入を根絶する案を講じなければならない。国情院問題も、朴大統領とセヌリ党が受身の対応をするのではなく、先制的に解決していく必要がある。論議の核心を把握し、国情院が本来の任務に忠実になるよう改革しなければならない。国情院の自己改革に任せるのではなく、政府と与党が先頭に立ち、野党と国民が納得できる改革の青写真を示さなければならない。

民主党は2度の政権の経験があり、127人の国会議員を有する野党第1党だ。民主党が大統領選挙で敗北したのには、国民の安保不安心理を刺激したことも重要な原因だ。民主党は、大統領選挙の敗北後、反省の時間を持ったというが、今そのような姿は見られない。世論を読めないため、支持率は低迷している。民主党が大統領選不服心理を露にし、国民が選択した大統領を卑下することは、国民多数を侮辱することだ。

朴政府とセヌリ党は、国家経営の責任を負った政権勢力だ。野党と戦って勝つことでよしとするのではなく、国家を経営し国民の選択を輝かせなければならない。野党も国政運営のパートナーであるため、説得して包容することが重要だ。経済は苦しく、国民は疲れている。国民の暮らしが苦しくなれば、その責任は政府と与党が負わざるを得ない。監査院の監査や検察の捜査を通じて、一時自分を苦しめた勢力を懲らしめることに熱中しているという印象を与えることは朴政府に得にならない。

朴𨛗用(パク・グァンヨン)元国会議長は、このようでは政治無用論、政党無用論が出てくると憂慮する。

今はどちらか一方の政党の危機ではなく、政界共同の危機だ。新しい政治は、相手を認めて包容する度量を見せ、節制と忍耐を発揮するところから出発しなければならない。さもなければ韓国政治が生まれてはならない「鬼胎」と言われることになるだろう。