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安哲秀議員、「全羅道の息子」を目指して

安哲秀議員、「全羅道の息子」を目指して

Posted June. 01, 2013 06:24,   

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野党民主党が安哲秀(アン・チョルス)議員に牽制球を投げ始めた。キム・ハンギル代表は30日、放送記者クラブでの討論会で、「(4・24再補選で)ソウル蘆原(ノウォン)丙に対して取った態度(無公認)は二度とないだろう」と述べた。10月の再補選を念頭に置いた発言だ。独自の政治勢力化を模索している安氏に対する警告だ。「独自勢力化?できるならやってみろ。私たちも黙ってはいない」といった具合だ。さらに、「独自の勢力化に進めばセヌリ党から表彰状を受けるだろう」という皮肉も付けた。

変化は「5・18光州(クァンジュ)民主化運動」の33周年記念の後に現れた。先月18日、光州を訪れた安氏は、民主党に事実上の宣戦布告をした。「慣性に浸り、既得権に染まった既成政治が、光州の精神を継承して新しい花を咲かせるのではなく、ただ果実を享有することに夢中になった」と批判した。「光州精神の継承」、「果実の享有」から民主党を標的にしていることはすぐに分かる。そして安氏は、「1987年の民主化後に形成された敵対的共生関係による既得権の政治体制の清算」を自身の課題の一つに挙げた。民主党を清算対象に名指ししたも同然だ。4日後、安氏は事実上、新党創設の前進基地である「政策ネットワーク明日」の創立を公式に宣言した。民主党としてはもはや気楽に安氏に対することができなくなった。

民主党はこれまで、安氏を「アライバル的同志の関係」と見なしてきた。今でもその未練を捨てていない。しかし、安氏はそのような関係設定に露骨に拒否感を示す。互いに目指す目標が違うのだから当然だ。

安氏の目標は、2017年の大統領選挙に挑戦して当選することだ。それまでのすべての政治過程は目標達成のための踏み石にすぎない。民主党と手を握る必要があればその時になって判断すればいい。民主党を活用するには、自分の踏み石をできるだけ丈夫に育てなければならない。しかし民主党は違う。個人よりも党が優先だ。誰かではなく民主党の候補が大統領にならなければならない。大統領選挙だけでなく地方選挙、総選挙、再補選といった選挙も重要だ。いい成績を収めてこそ党が良くなるためだ。

もはや、民主党と安氏の対決は避けられなくなった。何の選挙であれ、全羅道(チョンラド)が最前線にならざるを得ない。野党の牙城である全羅道民の心をつかまなくては志を成し遂げることができないためだ。安氏もその点を承知しているため、全羅道に力を入れている。安氏にとって全羅道は比較的攻略が容易だ。別の地域ではセヌリ党まで相手にしなければならないが、全羅道では民主党だけ対すればいい。

民心の流れも安氏に不利ではない。民主党に対する全羅道の愛情が以前と同じでないということは周知の事実だ。世論調査はこのことははっきりと示している。安氏が新党を作れば、支持率は全国的には言うまでもなく全羅道でも民主党より高い。民主党側は仮想の調査だとか、民主党が革新すれば変化するだとか、何とかして過小評価しようとするが、それは民主党の希望事項にすぎない。昨年4月の総選挙で、全羅北道(チョンラプクト)の南原(ナムウォン)—淳昌(スンチャン)に出馬した進歩正義党の姜東遠(カン・ドンウォン)候補が、民主党の当選3回の現役議員で院内代表まで務めた李康來(イ・ガンレ)候補に勝つ異変を起こした。全羅道の有権者ももはや党だけを見るのではないということだ。このような変化はその時だけだろうか。

安氏の夫人の実家は全羅道だ。そのような縁まで重なり、安氏はすでに政治的に「全羅道の婿」という地位は確保した。しかし、野党の代表走者になるには「百年の客」である婿では不十分だ。「全羅道の息子」にならなければならない。民主党の権魯甲(クォン・ノガプ)常任顧問は、「全羅道の人々に民主党は良くも悪くも子どものような存在だ」と言った。その「子ども」の座をめぐって民主党と安氏が今から繰り広げる戦いは見ものだ。