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[オピニオン]首相候補者の運転経歴

Posted February. 12, 2013 03:14,   

「普通の人」であると言い張った鄭烘原(チョン・ホンウォン)首相候補者は運転席に座った。次官級の任鍾龍(イム・ジョンリョン)首相室長が式典車両に乗り込むように薦めたところ、「私も30年間運転しています」と言って、任室長を隣に乗せて、夫人名義の乗用車を運転した。新聞、放送のカメラを意識した行動とは言え、国民に謙遜した様子を映すことには成功的だった。「30年の運転経歴」だとすれば、検事に任用されてから9年後の1983年ごろ初めて運転免許を取ったものと見られる。登録車両数は同氏が免許を取った当時は90万台ぐらいだった。39歳に免許証を取ったのだから、今の基準からすると遅いと言えるが、韓国で本格的なマイカー時代が開かれたのは1988年のソウル五輪以後だ。

◆元ワシントンポスト記者のマルコム・グラッドウェルは著書のアウトライアーズで「1万時間の法則」を話した。どの分野であれ境地に上がるためには1万時間練習しなければならないという内容だ。1日3時間、1週間に20時間を10年間続けなければならない大変な量だ。もちろん、時間を費やすだけで実現することではない。その分野で自分の欠点を見つけ補完する練習量がそれだけ必要だという意味だ。韓国では小学校入学前から先行学習をし、高難易度の技術を身に付ける運動部の生徒が多くても、世界的な碩学やスポーツスターがあまりにも少ない。歩き出すと同時にゴルフをはじめたというゴルフ皇帝のタイガー・ウッズは著書で自分に必要な練習は1日20分で十分だと言った。生まれつきの天才が正確に運動のポイントをキャッチしたら、わざわざ1万時間を費やす必要はない模様だ。

◆多くの反則運転の中でもスピードの出しすぎは命に関わるという点で危険性が大きい。車線違反や信号違反などの反則運転も危険だが、死亡事故を起こす場合はスピードの出しすぎが断然多い。警察が08年から3年間、スピードの出しすぎによる交通事故を分析した結果、加害者の10人のうち4人が運転経歴15年以上ベテランだった。経歴だけを見て、「私は上手だ」と実力を過信して事故を起こしたのだ。

◆鄭候補者が官用車両に乗らず、自ら運転する姿でたくさんの国民は彼の言葉通り「普通の人」という雰囲気を感じただろう。30年間運転しながら、一度も違反せず「善良な運転」をしたかどうかは聴聞会で明らかになるはずだ。そのような面ではマイカー運転をした人が運転士を採用した人より損だ。「大統領の命令を受けて行政の各部を統括する」首相の勉強にも「1万時間」が必要だとしたら、同氏は法務部長官ならともかく、首相には適していないかも知れない。しかし、生まれつきの感覚と誠実さを持っていたら、長官や議員をやったことはなくても、名宰相になりえる。乗客の安全は運転士の経歴ではなく、実力が保障するように。

イ・ドンヨン東亜日報社会部次長 argus@donga.com