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[オピニオン]中国の第1婦人

Posted November. 19, 2012 08:56,   

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中国ではファーストレディを、「第1婦人」という。習近平新任共産党総書記が率いる中国の未来に劣らぬほど、人たちが知りたがるのは、第1婦人となった彭麗媛の役割だ。彭は、美貌や美しい歌声で、1980年代から国民歌手の列に名を連ねた。二人が結婚する時までは、人々は「習近平の妻の彭」ではなく、「彭麗媛の夫の習」と呼んだ。米紙ニューヨークタイムズは、彭婦人は、中国の第1婦人のパラダイムを革命的に変える資質を備えていると報じた。

◆中華人民共和国史上、第1婦人は3つの類型に分かれている。初代国家主席の劉少奇の妻の王光美型、初代党主席の毛沢東の悪妻の江青型、胡錦濤の劉永鋻型だ。名望家から品位のある容姿や優れた頭を持って生まれた王夫人は、幼い時は数学の天才だった。中国女性初の原子物理学修士であり、英語が流暢だった。海外歴訪の途につく夫を、「チーパオ外交」で内助した。優雅な身なりやフランス語の発音で、「米国は欧州の里子」という米国人のコンプレックスを飛ばしたジャクリーン・ケネディ夫人を思わせる。

◆江青は、中央政治局常務委員会が指定した毛の5人の秘書のうち、「生活秘書」だった。最初は、「正直かつ礼儀正しい良妻賢母」だったが、毛の娘を産んでからは鼻高々になり、紅衛兵を打ち出して、文化革命を率いた。王夫人も夫と一緒に、文革の被害者だったが、文革の原因提供者とみなす見方もある。知性や美貌を兼ね備えている王夫人が、華やかな第1婦人として視線を独り占めしている間、貧しい家から生まれた俳優出身の江青のやきもちは、国を危うくさせるほど膨らんだという解釈だ。

◆頳小平の妻・卓琳から劉婦人まで、第1婦人たちが、自分の力量とは無縁に、次々と存在感無しに生きてきたのは、江青の弊害への反作用だっただろう。彭婦人は、習新任総書記の大きな資産だ。氏は、夫とアナウンサーとの不倫説が明るみに出た後も、「習はよき夫であり、父親だ」として、ヒラリー・クリントンのように、夫のそばを見守った。夫がライバルの李克强を抑えたときは、妻の七光りのおかげだといううわさが持ち上がった。今のところ、「生活秘書」の江青でも、日陰型の劉永鋻でもない、「チーパオ外交」の王光美のように、中国のソフトパワーとして活躍する可能性が高い。

李進寧(イ・ジンヨン)文化部次長 ecolee@donga.com