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[オピニオン]ドロンの民間人殺傷

Posted November. 12, 2012 08:54,   

今年の米テレビ界最大のイベントであるエミー賞の授賞式で、ドラマ部門の作品賞と男・女主演賞を総なめにした作品は「ホームランド」だ。このドラマの主人公は、8年間パキスタンのアルカイダの捕虜となっていたが、苦難の末に帰還した米海兵隊の狙撃兵だ。故郷で英雄として迎えられたが、実は彼は米副大統領と閣僚暗殺という任務を受けたアルカイダのスパイだ。彼と友人の少年が米国の無人爆撃機(ドロン)の攻撃で無残に死んだことに怒った彼は、アルカイダに懐柔され、祖国を裏切ったとドラマは暗示する。

◆米政府は2004年以降、パキスタン、アフガニスタン、イエメンなどの地でタリバンやアルカイダの指導者を「標的射殺」するためにドロンを活用している。ドロンは、これらの地域で約1万キロ離れた米空軍基地から遠隔操縦される。操縦者は、ドロンについたビデオカメラが送る画面をモニターで見ながら、ターゲットに照準を合わせて爆撃する。コンピュータゲームと大差ない。オサマ・ビンラディン殺害計画を立てた時も、従来のドロンよりも小さい「スナイパー・ドロン」を活用する方法が作戦実行最終段階まで考慮されたという。

◆オバマ政府になって、ブッシュ前政府よりもドロンの作戦回数と民間人死傷者が大幅に増えた。米中央情報局(CIA)が主導するドロン作戦で、これまでタリバンやアルカイダの幹部、兵士が約3000人死亡した。しかし、死亡者の中には民間人が3分の1以上含まれているという統計がある。このため、ドロンの爆撃を受けた地域の住民の間で反米感情が噴き上がっている。アルカイダが、米国のテロとの戦い以降も勢力が弱まらない理由が、ドロン爆撃の無差別殺傷にあるという見方もある。

◆最近、イラン革命守備隊の戦闘機が、公海上で偵察飛行をしていたドロンを攻撃したことで、ドロンが米国の対外政策の問題になっている。米国でも、ドロン攻撃は合法的なのか、どれだけ効果的なのか、論争が絶えない。米議会が把握できないほど密かに行われるドロンは、作戦の不透明性に対する批判も強い。米国にとってドロンの最大の利点は、米軍が不必要な犠牲を出さないということだ。しかし、同時にテロ犯の周囲にいる罪なき民間人が苦しむ。ノーベル平和賞受賞者であるオバマ大統領としては悩まずにはいられない。

ミン・ドンヨン週末セクションO2チーム記者 mindy@donga.com