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[社説]候補確定遅延が投票時間よりもっと問題だ

[社説]候補確定遅延が投票時間よりもっと問題だ

Posted November. 02, 2012 08:10,   

民主統合党(民主党)は昨日、「投票時間延長法案」と「候補途中辞退時の国庫補助金返却法案(食い逃げ防止法案)」の同時処理についてセヌリ党の朴槿恵(パク・グンヘ)大統領候補が直接公式立場を表明するべきだと迫った。文在寅(ムン・ジェイン)民主党候補がセヌリ党の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)公報団長が提案した2法案の同時処理を受け入れる用意を表明すると、セヌリ党側が「(同時処理の提案は)個人の意見」「条件付で提案したことはない」と応酬したためだ。これに対し、文候補は「冗談だったのか」と批判した。

午前6時から午後6時までとなっている現行の投票時間を2、3時間延長して投票率を引き上げることは参政権の拡大という観点からあり得る意見である。だが、2004年の再選挙・補欠選挙の投票時間を午後6時から午後8時に延長した後、投票率を比較した結果、平均投票率が午後6時までだった時より低かった。中央選挙管理委員会の調査によると、非正規職労働者たちが希望しているのは、投票時間の延長(12.4%)よりは住所地に関係なく、どこでも投票ができるようにして欲しい(58.1%)という回答が圧倒的に多かった。投票時間の延長を大統領選挙が差し迫った時期に持ち出したこと自体、政略的攻勢を臭わせている。

投票時間より国民の選択を妨げているのは、むしろ野党系候補の一本化を巡る支離滅裂な攻防である。民主党の李洛淵(イ・ナグヨン)共同選挙対策委員長は「安候補側は『候補登録期間(25〜26日)後に一本化しても大丈夫』としているそうだが、これはあまりにも国民に迷惑をかけることになる」と話した。一本化の遅延は、単に迷惑をかけるばかりか、国民の選択に混乱を与える。有力候補が二人の場合と三人の場合とでは、国民の判断は様々な面で変わってくる。一番重要な国政選挙をわずか数日を残してまで候補が決まらないのなら、それこそ国民の参政権に対する挑戦である。国民は最大限時間をかけて決まった候補たちのビジョン、政策、資質、個人的な欠陥などを十分に考慮して票を入れる候補を選ぶことができてこそ、まともな参政権の行使が可能になる。

一本化を包んでいる霧のため、この頃、各候補の資質や公約の検証よりは、2候補がいつ一本化するのか、統一候補は誰になるのか、果たして一本化はするのかに国民の関心は集まっている。3候補による討論が開かれていないのも、野党系候補が決まらないでいることと関係がある。政治に対する国民の不信を打破するとして登場した二人の政治新人が皮肉にも国民の政治披露感を深めている格好だ。そのために国民が投票に嫌気をさすことになれば、投票時間の延長を巡る議論は空虚なことにならざるを得ない。