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[社説]候補らの約束には低成長の悪循環を断ち切る対策が見えない

[社説]候補らの約束には低成長の悪循環を断ち切る対策が見えない

Posted October. 29, 2012 08:17,   

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現代(ヒョンデ)経済研究院は、韓国経済が3%未満の1人当たり国内総生産(GDP)成長率を続ける場合、1人当たりの国民所得が3万ドルを超えるためには、15年がかかるだろうという悲観的な見方を示した。国民所得が3万ドルを超えているいる先進23ヵ国が2万ドルから3万ドルを達成するまで8年がかかったが、今のままだと韓国はその2倍がかかるという警告である。

韓国経済は今年第3四半期(7〜9月)に1970年に関連統計を作成して以来初めて6半期連続の0%成長という衝撃的な成績表をもらった。世界的な景気低迷のため、韓国経済を支えている輸出と産業生産と設備投資が萎縮し、どん底から抜け出せずにいる。貿易への依存度が113%に上る状況下で、世界経済が「風邪を引く」と、韓国経済は「肺炎」を患う。韓国経済の体質が変わらなければ、世界経済が回復しても低成長の呪縛から抜け出すのは困難だ。人的資本への投資を増やし、成長潜在力を拡充し、外国人と企業が厳しい環境の中でも投資できる環境と雰囲気を作らなければならない。

経済の視界が開けない中、年末の大統領選に出馬する各候補らは、経済民主化や福祉にしがみつき、低成長は敢えて無視している。「創造経済」(朴槿恵セヌリ党候補)「公正経済」(文在寅民主党候補)「革新経済」(安哲秀無所属候補)のように雲をつかむような抽象的なスローガンだけが溢れている。「低成長の沼」から抜け出すために国民を説得し、奮い起こすための具体策が見えてこない。世界的な景気低迷のような手のつけようのない外部要因のせいだけにして、福祉で「手元のパイでも分けよう」という気持ちで取り組むと、低成長の基調は固定化し、3万ドル時代はますます遠のいていく。

成長を抜きにしては福祉で低所得層と弱者層の面倒を見るという候補らの約束は空手形になってしまうだろう。一家の家長が、蔵は底をつきそうなので、稼ぐことは考えないで家族にお小遣いを引き上げて、冬のコートを買ってあげると大口をたたいているようなものだ。経済の足踏み状態が続くと、一番先に影響を受けるのは庶民である。自営業者は生活苦に呻吟し、学校を出ても仕事に就けない青年たちは社会に入れないまま彷徨うことになる。低成長で税収が減れば福祉の支出も困難になる。限られたパイを分けるようとすると、階層間の葛藤も噴出するだろう。候補らは低成長の連鎖を断ち切らなければ低所得層と弱者層を困窮から救い出せないという冷厳な現実を直視してもらいたい。