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「結婚控えた娘に重荷になるのか怖い」 闘病中の50代家長の心の痛む死

「結婚控えた娘に重荷になるのか怖い」 闘病中の50代家長の心の痛む死

Posted October. 20, 2012 07:29,   

真なる愛とは果たしてなんだろうか。

愛する人に重荷にならないことなのか。立ち去った人に向けられる残された人の愛は、どうすればいいだろうか。

13日午後3時40分ごろ、釜山江西区大渚洞(ブサン・カンソグ・デジョドン)・洛東江(ナクドンガン)河口の湿地帯から、水死と見られる50代男性の遺体が見つかった。この男性の足首には、破れたビニール袋が、テープで縛られていた。通報を受けて出動した警察は、ビニール袋の中に、水葬のための石ころが入っていただろうと、推定した。警察の調査結果、亡くなった人は、釜山東区(トング)に住むA氏(57)であることが分かった。

警察によると、A氏は遺書を残し、自ら命を絶ったものと見られる。彼の部屋の机の引き出しから、「愛する息子へ」、「愛する私の娘へ」というタイトルの遺書2通が見つかった。警察によると、A氏は、13日と予定されていた娘の結婚前の両家の顔合わせを控え、貧しい家庭事情や持病で大変悩んだという。彼は、息子に残した遺書で、「目が徐々に暗くなっている。脳梗塞がひどくなれば、植物人間になりかねない。目が見えなくなれば、(お前の嫁になる人が)、義父の世話をすることができなくなる。これが最善だと思う。葬式費用が心配だ。遺体を捜すことができないやり方で、人生を閉じたいと思う。私の遺体など捜すな」と書いた。

25年前、妻と死に別れたAさんは、緑内障で、視覚障害4級の判定を受けた。最近は脳梗塞で倒れ、病院で治療を受けてきた。入院費のため、信用不良者となり、借金も1億ウォンほど抱えているという。息子は、安月給にも関わらず、毎月40万ウォンずつを入院費に当ててきた。

彼は、結婚を控えている娘には、「動くことができる上、少しでも見える時、決着をつけなければならない。夫になる人はいい人だと思う。夫の両親もいい方だそうで、安心している」と書いた。

「考えるだけでも気分がよくなる愛する息子と娘よ、ご覧なさい。あの世でもお前たちの面倒を見る。おろかな父が…」。彼は、この世での最後の言葉をこのように結んだ。

警察は、A氏の自宅を調べていたところ、息子の部屋の机の引き出しのなかから、A氏が直接作ったものと見られる自分の遺影を見つけた。警察の関係者は、A氏は、息子には内緒で、写真を撮った後、命を絶つ前に、入れておいたようだ」と語った。



toto@donga.com