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大統領候補絡みのでたらめテーマ株、惑わされる個人投資家

大統領候補絡みのでたらめテーマ株、惑わされる個人投資家

Posted September. 21, 2012 07:47,   

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今年に入って韓国株式市場ではチョン氏のように、短期収益を狙ってテーマ株に金をかける個人投資家が大幅に増えている。しかし、テーマ株に投資して収益を出す個人投資家らはわずか一握りに過ぎず、大半の投資家らは損失をこうむっていると証券市場の専門家らは見ている。そのほとんどのテーマ株は業績とは関係なく株価が上がったり下がったりしている上、一部銘柄の大株主らは「モラルハザード」現象まで見せており、個人投資家が適時に売り買いするのは容易ではない。

●テーマ株への投資は結局損

テーマ株に飛びつく少なからぬ個人投資家らは、テーマ株が作られる背景がでたらめであることをよく知っている。にもかかわらず、テーマ株への誘惑を振り切れないのは、「自分は他のひとより、早めに動く」といううぬぼれがあるだ。年明けから韓国証券市場は低迷を見せ、収益を上げにくくなったのも、テーマ株に関心を持たせる要因となっている。ハナ大投(デトゥ)証券のキム・ウジュン部長は、「少し早めにテーマ株に飛びつけば少しでも利益を上げて抜け出ることができるという自己中心的な考え方を持って、株を買い集めている」と指摘した。

個人投資家のこのような心理につけ込んで、一部の相場操作勢力はデマを流して相場を吊り上げては個人投資家らを誘惑している。個人投資家がその後を追って株を買い、株価がさらに値上がりすれば、「食い逃げ(株価が上昇すれば大量に売りさばく)」に乗り出す。

最近は、インターネットやソーシャルメディア(SNS)のように、デマを流せるメディアが多様化してからデマの広がるスピードも速くなっており、株の大量の買い付けから利益実現までに掛かる時間が大変短くなっている。韓国取引所のファン・イチョン部長は、「『株の大量買付け→相場吊り上げ→利益実演」という相場操作の過程が、かつては6ヵ月ぐらい必要だったのだが、今は1週間も掛からない」と話した。

このような背景のため、テーマ株で実際に利益を上げている個人投資家らがいないわけではないが、その大半は損失をこうむらざるを得ない。特に、筆頭株主が何の前触れもなく大量に株を売りさばき、株価が暴落すれば、個人投資家らは先手を打つ暇すらなく、被害をこうむることになる。与党セヌリ党の朴槿惠(パク・グンヘ)大統領候補の福祉テーマ株であるアガバンカンパニーの金𨪙(キム・ウク)代表取締役会長は2月17から21日までの3日間、計62万6210株を売り、同社の株価は翌月12日まで、下落を続けた。同期間、株価は17日の1万5750ウォンから1万1200ウォンへと28.8%下落した。

民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)大統領選挙候補のテーマ株と分類される「ウリドゥル(我々の)生命科学」も、株価が1株=4380ウォンまで高騰した2月、イ・サンヨル代表取締役や親戚・姻戚が、計200万株余りを、相次いで取引時間中に売りさばき、翌月12日は1株=2055ウォンまで暴落した。

●クモの巣のように絡んでいる無茶な人脈テーマ株

今年、証券市場ではとりわけ、「人脈」を強調し、個人投資家らを誘惑する政治家関連テーマ株が多い。131銘柄テーマ株のうち、人脈関連テーマ株が、全体の52.7%(69)に上っている。福祉や雇用などの政策テーマ株(49銘柄)より1.5倍多い。従来の大統領選挙で主要4河川事業関連テーマ株など、政策中心のテーマ株が出来上がったのとは対照的なことだ。

人脈中心のテーマ株ができた理由は、今回の大統領選挙で有力な候補群が最後まで絞られず、相当時間がかかったためと見られる。年明けからテーマ株探しに夢中になっている投資家が多い中、有力候補群がはっきりしていない上、政策も決定されたものがなく、最も簡単な人脈テーマ株を求めることになるという。

しかし、人脈は、企業業績との関連が政策よりさらに低い。そのため、無理に人脈を引き寄せてきてテーマ株を作ったケースが大半をなしている。安哲秀(アン・チョルス)テーマ株と分類されるウソン飼料は、「民主統合党の辛京鏜(シン・ギョンミン)議員は安哲秀候補と親しいが、ウソン飼料の筆頭株主は、その辛京鏜議員の妻の実家だ」という理由でテーマ株になった。KTミュージックは、「安哲秀候補と親しみのある、パク・ギョンチョル安東(アンドン)新世界病院院長が、社外取締役に登録されている」という理由で、テーマ株に挙げられる。

「朴槿惠テーマ株」はとりわけ、血縁関係を打ち出したテーマ株が多かった。EGは、朴候補の弟・朴志晩(パク・ジマン)氏が筆頭株主となっていることを理由にテーマ株に選ばれ、テユ新素材は、朴ヨンウ会長が朴候補の姪の夫という点で、星安(ソンアン)は、朴志晩氏の妻・徐香姬(ソ・ヒャンヒ)弁護士が社外取締役となっている点で、それぞれテーマ株に挙げられている。また、徐弁護士が社外取締役を勤めているもう一つの企業、東部(トンブ)TSブラックパールもテーマ株とされる。

「文在寅(ムン・ジェイン)テーマ株」の中には、文在寅候補が所属していた法務法人に、仕事を集中的に発注したバルンソンやPSMCなどの会社が含まれている。

テーマ株にしようと操作した事実が明るみになったケースもある。文在寅候補のテーマ株と言われていた衣類メーカー「テヒョン」の場合、誰かが11年、文在寅候補と一人の男性とが一緒に写った写真を手にし、男性の部分をぼかして、「この人がテヒョンの代表取締役だ」と主張し、ネット上に流したが、株価の高騰に驚いたテヒョンの代表取締役が写真を見て、「自分ではない」と明らかにし、株価は急落した。



nuk@donga.com balgun@donga.com