8日、米フロリダの「ゲーターダッグサイド」スポーツバー。バラク・オバマ大統領はここに入るやいなや、両手を挙げて拍手するしぐさをした。他ならぬ「ワニ噛み(Gator Chomp)」というフロリダ大学・アメリカンフットボールチーム特有の応援ジェスチャーだ。週末のたびに、市民たちがスポーツバーに集まって、大学のアメリカンフットボールを好んで楽しんでいることを知っているオバマの、遊説アイデアだった。
大統領選挙キャンペーンが詰めの段階に差し掛かり、オバマは、ビールやスポーツを活用し、「平凡な男(regular guy)」イメージを集中的に浮き彫りにさせている。7月以降、オバマが選挙運動中に訪れたスポーツバーは10ヵ所あまり。訪問地域ごとに1つのスポーツバーに立ち寄ったことになると、政治専門メディア「ポリティコ」が、10日付で分析した。
オバマは、スポーツバーで一般市民たちと一緒にビール一杯を前に、スポーツに関する話し合いを交わし、「今日、試合開始前に私の演説を終わらせる」とし、自分もスポーツマンであることを誇示する場面もあった。
米国では、重要有権者層の白人男性たちが好むビールやスポーツを無視しては、大統領選挙では勝利できないという俗説がある。オバマがハリウッドの百万長者らと交わりながら、政治資金募集に熱を上げる一方、スイングステート(競合州)のスポーツバーを集中的に歩き回っていることについて、「目に見える平凡な男戦略だ」という批判まで出ている。
一方、モルモン教信者のミット・ロムニー共和党大統領選挙候補は、酒を飲まないばかりか、スポーツにもあまり関心がない。今年2月、インディアナのナスカー(自動車レース大会)レース会場に選挙運動のために立ち寄ったロムニーは、「自動車レースのファンか」という質問が殺到すると、「ファンではないが、いくつかのナスカーチームのオーナーを友人に持っている」と答えた。これに対し、「平凡な米国人の気持ちが分からない」という批判が殺到している。今年の夏休みの時は、家族と一緒にジェットスキーやヨットに乗って時間を過ごし、「庶民スポーツ」とはかけ離れた「貴族男」のイメージを示した。
すると、共和党からはロムニーの最大の弱点とも言える貴族的イメージを壊すためには、一般庶民の%対ロムニー48%と、再び接戦の様相に転じた。
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