統営(トンヨン)小学生強姦殺害事件のキム・チョムドク容疑者のように、個人情報が公開されず、性犯罪の再犯の確率が高い人が、現在全国に約2万人にのぼる。警察の管理対象の2万人は、性犯罪で最近15年内に5年以上または最近10年内に3年以上の実刑を言い渡されたが、最近5年内に3度以上立件された人だ。
しかし、警察が彼らを監視する法的根拠がなく、1〜3ヵ月に1度、周囲の人を通じて動向を把握する程度だ。また、彼らのうち児童に対する性犯罪者や電子足環を着用した人を分類して管理していない。監視対象者のうち性犯罪者かどうかも把握できておらず、管理がお粗末だ。警察は、キム・チョムドク容疑者を性犯罪の再犯の危険性がある者に分類し、事件発生2日前に動向を調査していながら、変わった点を発見できず、結果的に犯行を放置してしまった。このため、彼らにも電子足環をつけ、性犯罪者の個人情報公開の対象に含めるだけでなく、実効性のある情報公開になるよう対策を求める声が多い。
●効果低い個人情報公開、電子足環着用の拡大求める声強まる
個人情報公開の遡及適用だけでは実効性ある対策になることは難しいと、専門家らは一貫して指摘する。性犯罪の危険性のある人物の個人情報が公開されても、住民が性犯罪の前科者の顔と名前をいちいち覚えることはできず、予防の効果はほとんどない。そのうえ、現在洞までが公開されており、意味がないという指摘が多い。幼い娘がいるソンさんは、「洞は広い。具体的な住所が公開されなければ、性犯罪者がどこに住んでいるのか分からず、事前に備える術がない」と話した。
このため、電子足環着用の拡大を求める声が力を得ている。電子足環制度は、13才未満の児童への性的暴行や2回以上の性犯罪者に対して、刑期を終えた後、足首に電子足環をつける制度だ。性犯罪前科の動線をリアルタイムで追跡・監視でき、実効性が高い。法務部の調査の結果、08年9月の制度施行後3年間の電子足環着用者の再犯率は0.9%にとどまった。制度施行前の05〜08年に検挙された性犯罪前科者の再犯率が14.5%に達していたことと比べて、大幅に低下している。
東国(トングク)大学警察行政学科のチョ・ユンオ教授は、「電子足環の着用者に対するアンケートの結果、83%が電子足環を着用した期間、違法行為をしないよう努めたと答えた。犯行すれば、すぐに捜査線上にあがることに心的負担を感じるためだ」と話した。
むろん、電子足環制度の導入前の性犯罪者で、再犯の危険性のある者に電子足環を遡及適用する場合、重複処罰が指摘される可能性がある。
電子足環制度に対する司法府の前向きな意志も必要だ。この制度の導入後、昨年上半期(1〜6月)までに、検察の電子足環命令請求を裁判所が棄却した割合は47.5%。淑明(スクミョン)女子大学法学部の李栄蘭(イ・ヨンナン)教授は、「判事が法理論に執着し、被告人の人権保障に重きを置いて性犯罪の高い再犯率は見ていない」とし、「司法府が2次被害を防ぐという意志を持って、電子足環の着用対象を積極的に拡大する必要がある」と指摘した。
電子足環制度の実のある運営のために、人材の拡充も急がれる。現在、電子足環の着用者数は982人で、08年の151人から6.5倍に増えた。しかし、位置追跡管制センターの人員と現場の保護観察官などの管理人材は63人から102人に1.6倍に増えるにとどまった。
●化学的去勢は実効性検証が先
昨年7月、大々的な討論の末に導入されたが、実際には有名無実となった「化学的去勢(性衝動抑制の薬物治療)」制度をこのまま放置するのかどうかも議論しなければならない。化学的去勢制度が昨年7月に導入された後、実際の執行の件数は1件だけだ。専門家らは、薬物治療の実効性を立証する研究結果が不十分で、裁判所が執行に消極的だと指摘する。延世(ヨンセ)大学法学専門大学院の韓尚勲(ハン・サンフン)教授は、「薬物治療制度の実効性に対する研究と調査結果が裏づけされてこそ、現在の制度を守っていくことができる」と指摘した。
化学的去勢を強制的に執行する場合、かえって性犯罪者の暴力性を高める恐れがあるという主張もある。京畿(キョンギ)大学犯罪心理学科の李水晶(イ・スジョン)教授は、「強制的に男性性を剥奪すれば、ストレスを受けた性犯罪者が別の犯罪を起こす危険を高める可能性がある」とし、「性犯罪加害者の心理を科学的に分析し、これを基に持続的な心理治療を並行してこそ、抜本的な解決が可能だ」と助言した。
neo@donga.com tigermask@donga.com






