米公立学校は、学習への負担を与えないことで有名だ。教師は勉強の苦手な児童生徒に対し、「その代わり、君たちはスポーツがうまいじゃないか」と励ます。スポーツの苦手な児童生徒には、「君は、友達から好かれているではないか」と持ち上げる。叱ることよりほめることのほうが、学校生活に幸せをもたらすかも知れない。米国で、経済が芳しかった時は、高校しか卒業していなくても、わりとよい仕事につき、中間層の生活を送ることができた。
◆しかし、グローバル経済危機後は様変わりしている。「私は特別だ」という誇りは天を突くほど高いが、潜在力を啓発することができず、きちんとして職にありつけない若者世代が、「時限爆弾」のように、社会のいたるところに陣取っている。社会に貢献したことはまだないのに、社会から受け取るべきものは余りにも多いと信じて止まない世代、いわば、「資格世代(Generation Entitlement)」だ。米マサチューセッツ州・ボストン郊外のウェルズリー高校の英語教師、デービッド・マッカラー・ジュニア氏が、彼らの心に刺激を与えた。夢や希望に満ちた励ましの言葉に続く卒業式典で、「君らは特別ではない!」と的を射た発言をしたのだ。
◆「そうだ。君らはちやほやされる甘えん坊だったし…両親が作ってくれた風船のなかで保護を受けてきた。そうだ。やるべきことの多い有能な大人たちが君らを抱き、キスをし、食べさせながら…」。卒業制服をまとった生徒らは笑っているのに、マッカラー氏は言葉を続けた。「しかし、君らは特別だとは思わないでほしい。なぜなら、君らは特別ではないから」。マッカラー教師はこの卒業式での挨拶で一気にスーパースターになった。26年間世間に送り込んだ教え子らよりはるかに多い110万人が、14日現在、動画サイトのユーチューブで、彼の特別な祝辞を目にしている。
◆米国と韓国を問わず、子供の成功こそ自分の成功だと信じ、子供を育ててきた親御さんは、マッカラー氏の厳しい忠告に、胸の中がすっきりするだろう。マッカラー氏は、「満ち足りた人生とは、母が飲食店から出前を取って、君の足元に落としてくれるものではない」とし、「自己中心的な考え方を捨て、世の中の厳しい挑戦に受けて立つべきだ」と強調した。過度な自己卑下も害となるが、過度な誇りを身につけさせることも害になる。韓国には、若者たちをなだめることで、政治的利益を手にする人たちもいる。若者らが目を覚まして現実が見られるように厳しい忠告も必要だ。
金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com






