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[オピニオン]大統領の墓地

Posted June. 12, 2012 08:22,   

米国の第3代大統領のトーマス・ジェファーソンは、バージニア州の家族墓地に埋葬されている。ジェファーソンの遺言によって、彼の墓碑には、独立宣言の起草、バージニア信教の自由法の立案、バージニア大学の設立の3つの業績が刻まれている。墓碑銘に国務長官、副大統領、大統領を務めた「3冠王」の経歴はない。民主国家の核心は政府ではなく議会という彼の信念が反映した墓碑銘だ。94年に死亡したリチャード・ニクソン元大統領は、カリフォルニア州ヨーバリンダの生家の裏庭に埋葬された。ニクソンは、ウォーターゲート事件で自分を弾劾した議会を不愉快に思い、議会に隣接したアーリントン国立墓地に安置されることを望まなかった。

◆エイブラハム・リンカーン元大統領の墓地は、イリノイ州スプリングフィールドにある。リンカーンは、ケンタッキー州出身だが、スプリングフィールドで弁護士事務所を開き、政治基盤を築いた。イリノイ州の各地で、「リンカーンの地(Land of Licoln)」という言葉がある。イリノイ州で生まれ育ったロナルド・レーガン元大統領は、カリフォルニア州ロサンジェルス北方のシミバレーに葬られた。レーガンは、ロサンジェルスのハリウッドで俳優として活躍し、カリフォルニア州知事を務めた縁がある。故人になった39人の歴代大統領のうちアーリントン国立墓地に埋葬されたのは、ウィリアム・タフト、ジョン・F・ケネディの2人だけだ。ケネディの墓は、封墳も碑石もなく、土に四角形の石板が一つあるだけだ。

◆フィリピンの独裁者フェルディナンド・マルコスは、1989年に亡命先のハワイで死亡した。フィリピン政府は遺体を故国に搬送することを許可したが、国立墓地に安置することを望む家族の要求は拒否した。反発した家族は遺体を埋葬せず、防腐処理して故郷の村に「展示」した。綱引きは今も続いている。

◆盧泰愚(ノ・テウ)元大統領が、姻戚の申明秀(シン・ミョンス)前新東方(シンドンバン)グループ会長への捜査を求める嘆願書を検察に提出した。明らかになった預けた秘密資金のほかに約424億ウォンあると検察に陳情した。盧元大統領がこの金を返してもらえば、秘密資金事件で賦課された追徴金2628億ウォンのうち、未納の231億ウォンを払うことができる。闘病中の盧元大統領が追徴金を完納し、死後に国立顕忠院(ヒョンチュンウォン)に埋葬されることを望んでいるという声が周囲から聞こえている。陽宅で失った名誉を陰宅で取り戻す考えだろう。

李亨三(イ・ヒョンサム)論説委員 hans@donga.com