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[社説]キム・ハンギル議員が指摘した「党代表選での民心歪曲」は一理ある

[社説]キム・ハンギル議員が指摘した「党代表選での民心歪曲」は一理ある

Posted June. 11, 2012 08:40,   

民主統合党の代表選挙に立候補したキム・ハンギル議員は先月20日、蔚山(ウルサン)を皮切りに、全羅北道(チョルラプクト)まで13ヵ所(投票方式が異なる首都圏3ヵ所を除く)で、党の地域代議員を対象に行われた党代表選の地域巡回投票で、李海瓚(イ・ヘチャン)候補に9勝4敗でリードした。キム候補は、李候補の故郷である忠清北道(チュンチョンプクト)でも李候補に勝った。「李海瓚ー朴智元(パク・チウォン)談合」に党内世論が批判的という見方は説得力があった。しかし、勝負はモバイル投票で覆された。李候補は、モバイル投票に参加した親盧系(盧武鉉前大統領系)寄り団体の支持を受け、最終集計で0.5ポイント差で勝利した。キム議員側は、「民心と党内世論の隙間を埋めるために作ったモバイル選挙が民心を歪めた」と問題を提起した。

約16万の会員(ミグォンス)を抱えるという鄭鳳株(チョン・ボンジュ)元議員は、今回の代表選で中立を表明したが、李候補側は、「ミグォンスには李候補支持が多い」と雰囲気を作った。民主党の代表選では、モバイル投票に積極的な若い世代の支持が過剰に代表され、中高年層の支持は小さく反映される世代間支持の不均衡問題を露にしたと指摘されている。

親盧系の座長格である李候補を当選させるために、親盧系団体が組織的にモバイル投票に参加したという声が流れている。モバイル選挙は国民世論を積極的に反映するという当初の趣旨とは程遠い結果となったのは事実だ。セヌリ党の非主流の大統領候補らが求める完全オープンプライマリーにも、同様の組織動員の弊害が起きはしないか憂慮される。

民主党の新代表に選ばれた李代表は、従北派をめぐる論争について、自ら「新マッカーシズム」と反撃したことが野党らしい野党の姿を示したと受け止められ選挙戦情勢を覆したと主張しているが、誰もそうは見ていない。民主党の長老である鄭大哲(チョン・デチョル)常任顧問は、「民主党は最近、従北派をめぐる論争で均衡を失った。従北派と明確な線を引き、北朝鮮の人権に対する見解を明らかにするべきだだった」とし、李代表を批判した。李代表は、一部のメディアが理念論争で国民を分裂させていると言ったが、国民を1%対99%に分断させたのは民主党と李代表自身である。

また、セヌリ党に対して、「大韓民国の首相を経験した李海瓚まで資格審査をすると攻撃している。独裁者ヒットラーの発想と大差ない」と主張した。セヌリ党は、李代表の資格を審査すると言ったことがあるのか。そして、ヒットラーのような虐殺者は、戦争犯罪者である金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)ではないのか。李代表がこれまでの政治で見せてきた特有の宣伝扇動は、多くの記録として残っている。

今や党代表になったのだから、言動に慎重を期することを望む。李代表が追求する政治と世の中がいかなるものであれ、すべての国民が同意し、すべてのメディアが拍手を送ることはできない。自身を支持しない相手に向かって、その数倍も好ましくない態度を示すことは、政治家として不徳をさらけ出すだけだ。