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[社説]「理念の時代は去った」と言った李大統領、今の事態を見ているのか

[社説]「理念の時代は去った」と言った李大統領、今の事態を見ているのか

Posted May. 18, 2012 04:04,   

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李明博(イ・ミョンバク)大統領は、就任初年度の08年の3・1記念演説で、「もはや理念の時代は去った」と述べた。古い理念に捉われては先進国家に跳躍できないという意味だったが、「理念は重要ではない」という意味に解釈される余地もあった。李大統領は、「理念論争」という非難を避けるためか、中道実用を強調するためか、動揺する国基を正す努力をしなかった。

00年の6・15南北共同宣言後、「我が民族どうし」という雰囲気の中、韓米同盟の解体と北朝鮮式連邦制の統一を主張する従北勢力が権力を振るった。ついに「従北より従米が悪い」と言う人が、多数国会に入城する事態を目撃することになった。彼らが外皮に覆った「進歩」は、弱者や疎外された階層のための政治でもなく、欧州の左派のような社会主義や社民主義でもない。北朝鮮政権に正統性があると信じ、自由民主主義体制ではなく別の体制への変革を試みる「古い理念」に捉われた勢力だ。李大統領が大韓民国の根幹を蝕む従北勢力の暗躍を知らなかったなら無能であり、知りながら対応しなかったとすれば国民に対する裏切りだ。

今回の大統領選挙では、李大統領を反面教師に、次期大統領の理念を明確に見なければならない。特に、「今、世界に社会主義者がどこにいるのか」といった安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学融合科学技術大学院長は、従北勢力の実体が明らかになった今でも同じ考えなのか、答えなければならない。まだ従北勢力の深刻さが分からないなら、国家の運命がかかった重要な問題に対して無知と言わざるを得ない。安院長は、従北勢力が占める統合進歩党(統進党)と連帯して連立政権を立てようという民主統合党と手を握るのか、明確にしなければならない。

野党第一党の民主党の文盛瑾(ムン・ソングン)最高委員は、自分が名誉理事長を務めるヌッポム文益煥学校にスパイ罪で8年間服役した人物を教師として在職させ、卒業式で北朝鮮の祝辞を読ませた事実を知っていたのか知らなかったのか。この学校の設立主体らは、「労働党直営学校」を建てたのではないのか。統進党との連帯を継続するという文在寅(ムン・ジェイン)民主党常任顧問、李海瓚(イ・ヘチャン)顧問の考えも気になる。

李大統領は、保守勢力の支持を得て選出されたにもかかわらず、理念に「無概念的態度」で時代の責務を果たすことができなかった。残された任期の間、憲法精神に反する綱紀を乱す行為を正すことが国民から与えられた大統領の任務を全うすることだ。昨年8月、就任の一声で「この地に北朝鮮追従勢力があるなら、当然除去されなければならない」と言った韓相大(ハン・サンデ)検察総長も、今起きている事態に目をそらしてはならない。