軍当局が、成功的に閉幕したソウル核安全保障サミットの期間を前後して、ソウル全域に対スパイ侵入作戦と局地挑発に備える「珍島(チンド)犬」警報を発令していたことが確認された。
1日、軍関係者によると、合同参謀本部は、サミット開幕3日前の先月23日から閉幕翌日の28日まで、ソウル全域を対象に「珍島犬2」を発令した。「珍島犬」は、北朝鮮による局地挑発や武装スパイの侵入時に発令され、危機状況が高まると「3(平時)→2(警戒強化)→1(最高態勢)」の順に引き上げられる。
「珍島犬2」が発令されれば、主要地域の検問所は軍警合同体制に切り替わり、敵の侵入や挑発に備えて大幅に強化される。軍関係者は、「北朝鮮の局地挑発や外部テロ勢力の爆弾テロなどに備えて、軍兵力の円滑な運用のために珍島犬を発令した」とし、「ソウル全域に珍島犬警報が発令されたのは異例のことだ」と話した。
また、高度な情報収集能力を備えた在韓米軍の情報部隊要員が、この期間にソウルに常駐し、北朝鮮軍の動向を隅々まで探知し、韓国軍にリアルタイムで提供したと、軍当局は明らかにした。彼らは、独自の監視装置で収集した信号情報(SIGINT)や映像情報(IMINT)だけでなく、偵察衛星や空中早期警報機(AWACS)など米国の先端情報戦力が捉えた軍事情報を韓国軍指揮官にリアルタイムで伝えたという。
軍関係者は、「韓国と米国の監視戦力がこれまで以上に緊密かつ迅速な協力体制を構築し、世界約50ヵ国の首脳が参加する国際行事の成功的な開催に貢献した」と述べた。
さらに、特戦司令部と空輸旅団など最精鋭部隊員約9000人を含め、約2万7000人が陸上警護・警備司令部に配属され、ソウル全域で厳重な警護・警備作戦を行った。彼らは行事開始1週間前からソウルの地下鉄構内をはじめ、主要高層ビルや漢江(ハンガン)一帯など、ソウル約360ヵ所で対テロ作戦に参加した。
一部の将兵は、私服で自転車に乗って漢江一帯を24時間巡察し、模型航空機を利用した爆弾テロの可能性に備えて、電気、通信、水道を供給する地下15メートルの共同区でも敵の奇襲侵入に備えた警戒任務を遂行した。
特に、陸上警護・警備司令部は、将兵の活躍ぶりが書かれた「情報誌」を部隊に配布し、すべての隊員が自負心を持って任務に万全を期すようにした。軍関係者は、「今回、警護・警備作戦が将兵の自負心を鼓吹し、軍に対する国民の信頼を高揚する契機になった」と強調した。
このような作戦遂行の過程で、軍将兵は危機に直面した市民の生命を助けたり、犯罪を解決する『付随的効果』も上げた。
先月22日、漢江の楊花(ヤンファ)船着場の周辺を巡察していた52師団所属のイム・スンギ大尉らは、漢江に身を投げた30代の女性を救助し、24日には702特攻連帯所属のホン・ソンナム上等兵が、城北(ソンブク)駅を巡察中、酒に酔って線路に落ちた乗客を発見して命を救った。
地下商店街に閉じ込められたり、エレベータに足が挟まった市民を救助したり、地下鉄構内で意識を失って倒れた女性に応急処置をしたケースもあった。また、705特攻連帯のソ・ミンウ下士らは26日に新村(シンチョン)駅で痴漢を警察と共に検挙し、203特攻旅団のチェ・ウォンスン一等兵は24日、可楽(カラク)市場駅付近のコンビニエンスストアで窃盗犯を取り押さえ、警察に引き渡した。
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