三星(サムスン)グループが一時、ベンチマークしたスウェーデンの家族企業・バレンベリーグループのトップを含む北欧のビジネス代表団が韓国を訪問した。韓・欧州連合(EU)間の自由貿易協定(FTA)と韓米FTAの発効を受けて、最大規模の外国企業の代表団が韓国を訪問し、今後、外国企業の韓国向け投資に前向きな影響を及ぼすものと期待される。
代表団は、三星電子の李在鎔(イ・ジェヨン)社長などと食事を共にする予定だとされ、バレンベリー家と三星家との出会いにも財界の関心が集まっている。
18日、財界によると、ストックホルムエンスキルダ銀行(SEB)のマルクス・バレンベリー頭取を含む北欧のビジネス代表団60人余りは、18日から20日かけて、ソウル中区奨忠洞(チュング・チャンチュンドン)のホテル新羅(シルラ)で開かれる「SEBの年次カンファランス」に出席する。
SEBカンファランスとは、スウェーデンの代表銀行であるSEBなどを所有しているバレンベリーグループが毎年、北欧最大企業のCEOや会長団を招き、主要諸国を巡回しながら開催する行事だ。アジアでは、日本・東京や中国北京、インドのニューデリーなどで開かれたことがある。韓国で同行事が行われるのは初めてのこと。
財界の関係者は、「北欧の企業家が大勢来韓するのは、韓EU、韓米FTA発効後、韓国への投資魅力度がその分だけ高まったことを意味する」と分析した。
今回の行事は、バレンベリーグループの経営を取り仕切っているマルクス・バレンベリーSEB会長の主宰で行われる。氏は10年、ソウルで行われたG20ビジネスサミット・金融分野の議長を引き受け、韓国を訪問したことがある。欧州最大手の家電メーカー・エレクトロラックスのキース・マクロプリン最高経営者(CEO)、世界最大手通信装備会社・エリクソンのハンス・ベストベリーCEOなど、バレンベリーグループの系列企業やスウェーデンを代表するファッション会社・H&Mのステファン・フェルソン会長などを含む、北欧主要企業のCEOなども、今回の代表団に含まれている。
代表団は、行事期間中、非武装地帯(DMZ)や板門店(パンムンジョム)を訪問し、国内外の主要関係者を招待し、韓国の政治や経済、貿易、教育、北朝鮮問題などについての講演も聴く計画だ。今回の行事では、韓国開発研究院(KDI)の玄旿錫(ヒョン・オソク)院長が韓国の経済現状について説明し、KAISTの徐南杓(ソ・ナムピョ)総長は、韓国の教育について紹介する。また、李洪九(イ・ホング)元首相は、韓国の政治や対北朝鮮問題について講演し、司空壹(サゴン・イル)元韓国貿易協会会長は、韓国とEU、米国、アジアとの交易について説明する。三星カードの崔治勳(チェ・チフン)社長は、韓国企業のグローバル戦略を、韓国経済研究院の崔炳鎰(チェ・ビョンイル)院長は、韓国産業の未来をテーマに講演を行う。
代表団はまた、大統領府を訪問し、李明博(イ・ミョンバク)大統領と面会する予定だ。この場では、北欧企業向け投資や協力を巡り、包括的な議論が行われる見込みだ。
バレンベリー家と三星家との面会も注目を集めている。三星電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は03年、スウェーデンのバレンベリー家を訪問するなど、バレンベリー家の支配構造や社会貢献活動などに、関心を持っている。代表団は19日午後、三星美術館「リウム」を訪問し、李在鎔三星電子社長などと食事を共にする計画だ。
1856年に事業を開始したバレンベリー家は、SEBやエレクトロラックス、エリクソン、サーブ、ABBなど、スウェーデンの主要企業19社を含め、1000社余りの企業経営に直接・間接的に参加しているスウェーデン最大手の企業家門だ。スウェーデンの国内総生産(GDP)の30%を占めており、スウェーデン人口の4.5%を雇っている。外交官のラウル・バレンベリーは、第2次世界大戦中、数千人をホロコーストから救ったことで有名だ。
parky@donga.com






