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[社説]倭館の枯葉剤問題、政府は徹底した調査と賠償と復元を

[社説]倭館の枯葉剤問題、政府は徹底した調査と賠償と復元を

Posted May. 21, 2011 06:27,   

在韓米軍の元兵士3人が、自分たちが勤務した慶尚北道漆谷郡倭館(キョンサンプクト・チルゴクグン・ウェグァン)の基地「キャンプ・キャロル」に、毒劇物である枯葉剤が入ったドラム缶250本を埋めたと、米国の番組で暴露した。彼らは33年前の78年、「廃棄するものがある。地面を掘れ」という上官の命令によって枯葉剤を埋めた後、慢性関節炎、聴覚障害、糖尿病などを患ったと主張した。この情報に接した倭館地域の住民は、地下水や近隣の洛東江(ナクトンガン)の飲料水源、農地が、枯葉剤に汚染されているのではないか不安に思っている。枯葉剤を埋めたという正確な位置を知り、事実確認をしなければならない。

政府は20日、緊急対策会議を開き、専門チームを構成した。米軍側は、韓国政府が共同調査を要求すれば前向きに協力するが、枯葉剤を埋めたことに関する記録はまだ捜せていないと明らかにした。枯葉剤を埋めた真相と生態系の汚染を迅速かつ透明に明らかにすることができない場合、反米感情を刺激する恐れがある。米国政府も、韓米同盟の重要性を考慮し、事態の収拾に最大限、誠意を示さなければならない。

枯葉剤は、米軍がベトナム戦争の時、60年代初めから約10年間、密林を除去し、共産ゲリラの出没と軍需の補給を阻止するために散布した除草剤だ。枯葉剤には、癌を引き起こし、神経をマヒさせるダイオキシンが含まれている。94年、ベトナム政府は、参戦軍人と民間人200万人が枯葉剤の後遺症で苦しんでいると明らかにした。韓国のベトナム参戦勇士の中にも、枯葉剤の後遺症で苦しんでいる患者が約3万5000人にのぼる。米国の報道によると、倭館に埋めた枯葉剤は、ベトナム戦で使用して残ったものである可能性が高い。ドラム缶に「ベトナム地域、コンパウンド・オレンジ」、「1967年ベトナム」など、枯葉剤を意味するオレンジ色の文字が記されていたという。

「キャンプ・キャロル」は、洛東江からわずか2キロ離れた所にある。これまで、枯葉剤の成分が検出されたという調査結果が出たことはないが、だからといって安全を確信することはできない。米軍基地の領内だけでなく、近隣地域の環境汚染を広範囲に調査しなければならない。疫学調査を行い、住民の健康状態を調査する必要がある。住民の被害と環境汚染が明らかになる場合には、治療と賠償、環境の復元に至るまで、米国に責任がある。