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[オピニオン]コードネーム「ジェロニモ」

[オピニオン]コードネーム「ジェロニモ」

Posted May. 07, 2011 03:24,   

「奴らはチェロキーの世界を丸ごと取り上げて、俺たちを居留地に放り込んだ…言葉を取り上げ、子どもには奴らの英語を教えた…」。米国のポップソング「嘆きのインディアン」に出てくる歌詞だ。消えていくチェロキー語が、第1次世界大戦当時、米軍に非常に役に立った。米軍は、ソンムの戦いでチェロキー族を動員し、チェロキー語の秘密メッセージを使用した。この時、動員されたインディアンを「コードトーカー(code talker)」という。ドイツ軍は、チェロキー語が分かる人がおらず、やられるだけだった。ヒットラーは、第2次世界大戦を準備し、インディアンの言語を学ぶよう人類学者約30人を米国に送った。

◆インディアンが、コードトーカーとして動員された最も有名な事例は、太平洋戦争の時のナバホ族だ。第1次世界大戦のベテラン、ポール・ジョンストンは、ナバホ族の保護区域で宣教師の息子として育ち、ナバホ語を流暢に駆使する非ナバホ族の1人だった。第2次世界大戦勃発前、ナバホ語を駆使する非ナバホ族は30人もおらず、特に、日本人には1人もいなかった。彼の勧めで、米軍はナバホ族のコードトーカーを動員した。日本の決定的な敗北となった硫黄島の戦闘で、6人のナバホ族のコードトーカーが800のメッセージを一つの誤りもなく交信し、勝利に導いた。

◆「ジェロニオ、E−KIA」は、「ジェロニモ、作戦中に殺害された敵(Enemy Killed In Action)」という意味だ。ここでジェロニモは、9・11テロの背後の指導者、オサマ・ビンラディン容疑者をいう。ジェロニモ(1829〜1909)は19世紀、米軍とメキシコ軍を恐怖に追い込んだ最後のアパッチ族の戦死だ。ジェロニモが登場する多くのハリウッド映画がつくられた。ハリウッド映画はいつも悪人を必要とするが、その悪人が今日はイスラムのテロリストで、冷戦崩壊前はソ連のスパイであり、ハリウッド草創期の西部映画ではインディアンだった。

◆米国が、ビンラディン容疑者を示す暗号としてジェロニモを使用したことが明らかになると、インディアン社会で反発が起きた。偉大なインディアンの英雄を米国が最も憎悪する敵と結びつけたことは不適切だという批判だ。米国人は、ジェロニモに対して畏敬の相反する感情を抱いている。米軍の空輸部隊員は、落下する時、恐れを知らない「ジェロニモ」の名前を叫ぶ伝統があった。今も、米軍501空輸部隊と509連隊1大隊は、ジェロニモを部隊のニックネームとして使っている。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com