哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没1年を迎える前日の25日、ソウルの各所では、大学生連合団体会員約4500人が準備した天安艦犠牲将兵追悼行事が行われた。市民らは、天安艦勇士追悼曲「星、夢、そして約束」を聞き、追悼の詩「恋」とエッセイ「ホットク」などを詠み、勇士たちを悼んだ。
市民らは、「誰かに命令されたわけでもないが、若い学生たちがこのように勇士を追悼するために立ち上がるのを見ると心強い」と口をそろえた。
●「生死の問題、政治的利用しないで」
「若者たちが耳を閉じ、天安艦の痛みに背を向ける現実が残念でした。この事件を政治的に利用しようとする一部勢力と、これに傾倒した若者に代わって、天安艦の痛みを共有したくて来ました」
同日、東亜(トンア)日報が会った追悼委員会共同代表の7人は皆、天安艦沈没から1年が経っても、天安艦事件が一部勢力によって政治的に利用されていると口をそろえた。「正しい社会大学生連合」の金ヒョンウク代表(25=ヨンサン大学)は、「進歩左派を名乗る一部勢力が、天安艦事件を依然として政治的に利用している。彼らは、実証的な証拠を提示するふりをするが、どれ一つ科学的でない机上の空論だけを主張している」と指摘した。
「未来を開く青年フォーラム」のシム・ボラ代表(28=明知大学国文科3年)も、「数日前、参加連帯で開かれた天安艦討論会は、1年前に主張した内容と変化がなかった。直接目で確認したのかという質問に、彼らの返事は『見なくても分かる。写真で見た』だけだった」と話した。シン代表は、「彼らが果たして、どのような真実を望んでいるのか、分からい」と指摘した。
また、彼らは、天安艦沈没事件を見て、韓国の安保意識を育てなければならないと話した。ユン・ジュジン韓国大学生フォーラム会長(25=延世大学政治外交科3年)は、「大学生は、天安艦沈没事件が自分のことではないと考える傾向がある。天安艦追悼祭を通じて、若者たちの安保意識が少しでも良くなればいい」と話した。金イファン青年自由連合代表(23・高麗大学北朝鮮学科3年)も、「北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件後、大学生の安保意識が高まった」と指摘した。
彼らは、厳粛でかたいイメージの追悼祭を若者たちが共感できる行事にしようと努めたと話した。「NEW再び」の金ゴンウ会長(20=カトリック大学国際学部)は、「従来の追悼祭とは違って、今回は、若い世代が簡単に参加し、共感できるよう神経を使った。追悼の詩とエッセイ、音楽と映画などのプログラムも準備した」と話した。
●偉大な犠牲、共に抱く希望
追悼には市民らも参加した。同日午後、ソウル駅で、市民らは足を止めてソウル駅広場に設けられた焼香所を訪れ、天安艦46勇士とハン・ジュホ准尉を追悼した。列車の切符を買った後、焼香所に立ち寄って焼香したチャン・テギ氏(65)は、「倒れたこの国の若者たちが安らかに眠ることを祈った。この国の未来を担う大学生が立ち上がって彼らを悼む追悼祭を企画したことは、本当に心強い」と話した。
同日午後6時には、天安艦襲撃1年大学生追悼文化祭「偉大な犠牲、共に抱く希望」が行われた。天安艦の勇士とハン准尉のために、舞台の前に設けられた椅子には、46勇士の代わりに、黄色の風船47個と勇士の名前が書かれたリボンが席に置かれた。風船には、追悼祭に参加した大学生が直接書いた手紙がつけられた。
大学院生の金ヒジン氏(29)は、「天安艦の犠牲将兵の代わりに置かれた黄色の風船が、彼らの空席を実感させ、心が痛かった。風船を空に飛ばす時、彼らが天国でこの様子を見ているようで胸がじんとした」と話した。
●顕忠園にも追悼の波
この日一日中、国立大田顕忠園(テジョン・ヒョンチュンウォン)の天安艦46勇士合同墓地には、普段より倍の約1万400人の市民が訪れ、犠牲勇士の魂を悼んだ。同日午後1時頃、合同墓地には、故ミン・ピョンギ上士の母親、カン・クムオク氏と故チョ・ジンヨン中佐の母親、朴チョンジャ氏らが訪れ、息子の墓碑をなでながら言葉なく涙を流した。大田に住む朴氏は、1週間に3、4回、墓地を訪れる。
昨年、息子のチョ中佐の最後の月給を出身高校の忠南(チュンナム)機械工業高校に寄付した朴氏は、「再びこのような悲しみを経験する母親がこの地に生まれないことを望む」と話した。ソ・ヘリム氏(35・京畿平沢市)は、「26日、1周忌の追悼式は混雑すると思い、幼稚園に通う子どもとともに来た。以前から一度来たいと思っていたが、やっと来ることができた」と話した。
江原道東海市平陵洞(カンウォンド・トンヘシ・ピョンヌンドン)の海軍第1艦隊司令部の独島(トクト)館に設けられた合同焼香所を訪れた第1艦隊所属の李ユンソン中尉は、「天安艦の46勇士に恥ずかしくないよう祖国の海洋守護の使命に全力を尽くす。そうすることで、彼らが安らかに眠ることができるだろう」と述べた。
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