元BBK代表の金キョンジュン受刑者(45)の姉、エリカ・キム氏(47)が突然帰国し検察の取調べを受けたことで、その入国背景を巡り様々な憶測が飛び交っている。
「BBK株価操作」疑惑事件は、07年と08年に検察と特別検察官の捜査を経て、金キョンジュン被告(当時)に対し、最高裁が有罪判決を下し、法的には終結した事件だ。しかし、07年の大統領選の政局で、「李明博(イ・ミョンバク)ハンナラ党大統領候補がBBKの実所有者だ」と言った金受刑者の主張による波紋があまりにも大きかったため、政界では、キム氏が新しい主張をするのではないか、と神経を尖らせている。
●「李明博氏が実所有者」説はウソ情報
キム氏は、先月25日と26日の2日間、検察の取調べを受け、07年の大統領選当時、「BBKの実所有者は李候補」というウソの情報を流布した容疑(公職選挙法違反)を認めた。BBKが李候補所有の会社ではないという事実を知りながら、嘘を言ったということだ。しかしキム氏は、自分にかけられた犯罪容疑であるオプショナルベンチャーズの株価操作と横領については、「私と関係のないこと」と否認したという。
検察周辺では、キム氏のこのような供述が、キム氏の突然の入国背景と無関係ではないと見ている。李大統領に関するウソの情報を流布した容疑を認めることで現政権に善処を請うメッセージを送るとともに、量刑が重い株価操作・横領の容疑については、すでに有罪判決を受けていて、「失うものがない」弟が甘受するしかないという点を明確にしたのだ。
しかし一部では、キム氏が懲役8年の刑が確定し服役中の弟の早期釈放を求めるために入国したという見方もある。金受刑者は、07年11月に国内に送還・拘束された後、刑期の半分も満たない3年3ヵ月間服役した。特別減刑や恩赦のような恩恵を受けることができなければ、15年11月まであと約4年9ヵ月、監獄で過ごさなければならない。
一部では、キム氏が再起するためには、国内外で行われている民事・刑事事件にけじめをつける必要を感じたためという見方も出ている。
キム氏は最近、米ロサンゼルス現地裁判所で、李大統領の実兄の李サンウン氏が所有するとされる(株)ダースと民事訴訟控訴審裁判を行っている。ダースは、キム氏姉弟に対し、190億ウォンの投資金返還訴訟を起こしたが、1審で敗訴した。
金受刑者も昨年11月、「ダースの実所有者は李明博大統領であり、李大統領が裁判に出席しなければならない」という内容が書かれた数十ページの書類を作成し、同事件の担当裁判所に提出したという。
このため、キム氏の今回の帰国も、裁判に必要な資料などを確保し、検察捜査を有利に運ぶことで、民事訴訟に活用しようとするのではないかという見方も出ている。同じ脈絡から、キム氏が国内のある大手流通会社に物品の納品事業のため、婚約者とともに入国したという話もある。
●なぜ、今入国したのか?
キム氏の入国が、「絵画ロビー」疑惑が起きた直後、出国した韓相律(ハン・サンリュル)元国税庁長の帰国と1日違いだったことから、2人の入国時期が「見えない手」によって調整されたのではないか、という声もある。
韓元庁長が、07年の大統領選の直前、大邱(テグ)地方国税庁のポスコ税務調査で、「ソウル道谷洞(トゴクトン)の土地は李候補の所有」という文書が発見されたにもかかわらず、これを覆い隠した疑惑を受けているため、このような「企画入国説」が膨らんでいる。
これについて大統領府や検察は「事実無根」としている。二人がいずれも自主的に帰国した上、韓元庁長の場合、事前に正確な入国日も知らせなかったという。また両事件は、事実関係や法的な面で完全に別事件である上、キム氏の帰国は、米国で銀行から多額の融資を受けようと所得を膨らませたため、08年2月に米国の裁判所から言い渡された保護観察期間が今月で終わったためということだ。
しかし検察周辺では、米国の市民権者であるキム氏が入国し、検察の取調べに応じる必要があったのか、という疑念が依然として拭われていない。すでに、弟の金受刑者が懲役8年という重刑を言い渡されて服役中の状況下で、共犯と見られているキム氏が刑事処罰という危険を犯す理由がないためだ。
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