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「今後どう取り締まれって言うのか」海洋警察内部で不満・疑問の声 中国人乗組員釈放

「今後どう取り締まれって言うのか」海洋警察内部で不満・疑問の声 中国人乗組員釈放

Posted December. 27, 2010 10:22,   

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外交通商部が韓国の警備艇に体当たりして転覆した中国漁船・遼営漁(63トン級)35403号の乗組員3人を処罰せず、中国に急いで送還したことに対し、海洋警察の内部で不満の声が出ている。韓国側の排他的経済水域(EEZ)で違法操業を取り締まる警察官らは今後中国漁船の不法暴力行為がさらにエスカレートすることを懸念している。

海警警備艦で勤務するある警察官は26日、東亜(トンア)日報の電話取材に対して「中国漁船が沈没したため中国へ逃走した漁船の乗組員らは、韓国の正当な取り締まりに凶器を使って4人の警察官に怪我をさせた。暴力行為を撮影した明白な映像資料があるだけに、犯罪人引渡し請求などを通じてでも彼らを処罰しなければならない」と話した。

別の警察官は、「政府レベルで調整したことだろうが、船長が死亡して公訴権がないからと言って、乗組員を全員釈放してしまって、今後西海(ソヘ、黄海)上で中国漁船の違法操業と暴力行為はさらにエスカレートするだろう」とし、「これからどうやって中国漁船を取り締まれというのか理解できない」と不満をぶつけた。

送還された乗組員に対して検察が起訴するかどうかをまだ決めていないなか、外交問題を考慮して急いで送還した政府の対応には疑問を示す声もある。海警の関係者は、「検察の不起訴決定が有力だが、たとえ起訴となっても既に送還してしまった状態なので、処罰できないのではないか。後で実効性の問題が提起されるかも知れない」と話した。

これに先立って群山(クンサン)海洋警察署は25日、遼営漁号の乗組員3人を釈放し、捜査を事実上終了させた。海警は、「当時、遼営漁号に乗り込んでいた乗組員3人を特殊公務妨害の疑いで立件して取り調べた結果、公務執行を主導的に妨害した船長(死亡)を除いた3人は積極的に加担した事実がなくて身柄を引き渡した」と説明した。海警は当時の乗組員の供述や警備艦で撮影した動画、レーダースコープの記録、港泊日誌など、関連資料を総合的に分析して出した結論だと付け加えた。

現在、群山市の中央(ジュンアン)葬儀場に安置されている遼営漁号の船長の遺体は、中国政府や遺族と協議して今週中に引き渡し、転覆事故で行方不明になった乗組員1人に対する捜索も近いうちに再開することにした。また、取り締まりに当たった警察官4人を暴行して中国領海へ逃げ出した遼営漁号35432号と関連した証拠資料を中国当局へ送って関連者の処罰を要求することにした。



shjung@donga.com