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ロビー立証に自信? 超強気の検察、与野党議員事務所を家宅捜索

ロビー立証に自信? 超強気の検察、与野党議員事務所を家宅捜索

Posted November. 06, 2010 05:41,   

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先月末、「全国請願警察親睦協議会」(請睦会)の捜査に本格的に着手したが、政界の反発に遭い、しばらく停滞していた検察が、5日、現役国会議員11人の選挙区後援会事務所を家宅捜索した。家宅捜索は、10人以上の議員事務所に対して、電撃的かつ同時多発的に行われ、政界を超緊張状態に陥れた。

家宅捜索が容易ではない国会議員の選挙区事務所を検察が大々的に家宅捜索したという点で、法曹界と政界からは、検察がすでに議員らの容疑を立証する相当な証拠をつかんでいるのではないか、という声が出ている。家宅捜索が迅速に行われたことから、主要20ヵ国・地域(G20)ソウル首脳会議の直後に、議員らに対する召喚調査が本格的に始まるものとみえる。

●同時多発的家宅捜索、自信の表れ?

同日の家宅捜索が、政界が請睦会捜査の不当性を指摘し、強く反発した直後に実施されたという点が、特に注目される。与党ですら、後援金捜査の不当性を提起するなど、政界が反発していた状況下で、息を押し殺していたように見えた検察が「11人の議員事務所の家宅捜索」という予想だにしなかったカードを出したのだ。

政界の不当な圧力に対する検察の不満の表れという分析とともに、請睦会の立法ロビーを立証する証拠を確保し、捜査に自信を示しているという見方もある。特に、首相室公職倫理官室の不法査察捜査に対する再捜査の声が上がり、検察に不利な状況で、政治攻勢に対する「攻撃」が「最上の防御」という布石との見方もある。

検察内部では、今回の家宅捜索の目的を「裏づけ証拠確保用」と見ている。これを別の角度から見れば、「決定的な核心証拠」はすでに検察が握っているということになる。検察が、家宅捜索で、後援金の帳簿や国会議員のスケジュール資料、事務所訪問者リストなどを確保しようとしたのも、裏づけ証拠を探すための努力という分析だ。

李貴男(イ・グィナム)法務部長官は同日、国会の対政府質疑での答弁で、「検察でそれだけの理由があると考える」と述べたのも、検察の「切り札確保説」と一脈相通ずる。いっぽう、検察が、政界の反発が大きくなる前に、核心証拠を急いで確保するために、議員事務所を捜索したという声もある。

●電光石火のごとく行われた家宅捜索

検察は、家宅捜索を行った国会議員の各後援会事務所に捜査官3〜5人を送り、1時間余り、会計担当者のコンピューターのハードディスクに保存された後援金の内容や後援者リストなどが入ったファイルの確保に力を入れた。請睦会から、5000万ウォンの後援金を受け取ったとされる野党民主党の崔奎植(チェ・ギュシク)議員の後援会事務所は、突然、家宅捜索が行われると、沈鬱な表情だった。

検察は、ソウル江北区松中洞(カンブクク・ソンジュンドン)の崔議員の事務所に捜査官3人を送り、1時間以上、ドアを閉めて家宅捜索を行った。捜査官らは、押収品が入ったダンボール箱1箱を運び出した。家宅捜索が行われたそのほかの10ヵ所も、30分から1時間余りかかったという。通常、企業に対する家宅捜索は、早くても3、4時間はかかることから、非常に迅速に行われたことが分かる。検察がそれだけ事前準備を徹底的にしていたことがうかがえる。

●司法処理論議は継続

これらの国会議員を政治資金法違反の容疑で処罰できるかどうかについては、検察内外でも論議が起こっている。個人が合法的に寄付した政治資金が、事実上、特定団体の資金であり、寄付当時、国会議員がこの事実を知っていたということを検察が立証しなければ、処罰は難しいためだ。

最高裁判所は08年8月、大韓医師協会から1000万ウォンを受け取った容疑で起訴された金秉浩(キム・ビョンホ)元ハンナラ党議員に対して、罰金80万ウォンと追徴金1000万ウォンを言い渡し、一審の判決を確定したが、昨年1月に、同じ容疑で起訴された高京華(コ・ギョンファ)元ハンナラ党議員に対しては、無罪を言い渡した。議員が、後援金が大韓医師協会と関連した資金であることを事前に知っていたかどうかによって、判決が分かれたのだ。

このため、検察が5日、国会議員11人の事務所をいち早く家宅捜索したことは、政治家と請睦会の共謀性を立証する証拠資料を急いで確保するためという見方が出ている。ある検察関係者は、「裁判所で、国会議員11人の家宅捜索令状をすべて発行するほどなら、共謀関係についての内部捜査が十分に行われたと見ることができる」と話した。



jefflee@donga.com ceric@donga.com