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[社説]テロへの備え、全国民の協力が緊要だ

[社説]テロへの備え、全国民の協力が緊要だ

Posted November. 04, 2010 07:22,   

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最近、各国で指導者を狙った国際小包を装う爆発物が、相次いで発見されている上、イエメンではパイプライン爆発事件が起こった。被害にあったパイプラインが、韓国石油公社所有である上、G20ソウル・サミットが1週間後に迫っており、韓国も緊張せざるをえない。

昨年、世界80カ国でテロが発生した。韓国も安心できないことは、すでに数回確認されている。イラクとアフガニスタンで2度に渡り、拉致事件が発生し、3人の韓国人が殺害された。イエメンでは、旅行客など5人が爆弾テロの犠牲になった。宗教問題、海外派兵、米国との同盟関係などテロの理由も様々だ。

何よりも警戒しなければならないことは、北朝鮮冒険主義集団によるテロだ。北朝鮮は、国家レベルでテロと軍事挑発をする国だ。韓国が大規模な国際行事を控えている時に、テロを実行した前科がある。88年のソウル五輪の時は、大韓航空機を爆破し、罪のない乗客を死に追いやった。02年の韓日ワールドカップの時は、第2次西海(ソヘ・黄海)交戦を誘発し、今年3月には、哨戒艦を沈没させる戦争犯罪を行った。北朝鮮は、今でも新たなテロを企んでいるかもしれない。3代世襲を強行する過程で、対南緊張を誘発し、内部の不満と経済難を突破しようとする可能性も、十分に予想できる。

テロに100%完璧に備えることは難しいが、最大限防ぐための努力を怠ってはならない。政府の責務が重大だ。テロの疑いのある人物に対し、徹底した管理と監視、テロターゲットになりそうな大衆や公共施設への警戒だけでなく、国際情報機関や警察との緊密な協力が必要だ。さらに、体系的にテロに備えるテロ防止法の制定にも、積極的に乗り出さなければならない。

テロに備えるため、個人の自由が多少制限されることもあり、不便も伴うという点で、国民の協力は欠かせない。特に、切実なのは、小さな徴候も見逃さず、必ず届け出るという姿勢だ。今年5月、米ニューヨークで未遂に終わった大型車両爆弾テロを防ぐことができたのは、市民の届け出があったからだ。96年と98年、江陵(カンヌン)と束草(ソクチョ)に現われた北朝鮮潜水艇も、タクシー運転手と漁夫が届け出たため、事件を未然に防げた。テロは不特定多数を狙う。自分自身がテロの犠牲者になる可能性があるという認識を持ち、全ての国民が各自で常に警戒心を持つ必要がある。